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入金処理とは?流れや課題、管理方法について解説

入金処理とは?流れや課題、管理方法について解説

経理業務は、企業の資金を管理する重要な役割を果たしており、「入金処理」もその一つです。

入金処理は、取引先からの入金を確認し記録する業務です。処理が正しく行われなかった場合、資金状況が正確に把握できなくなり、資金繰りが悪化するなどのリスクも考えられるため、正確性が求められます。
しかし、すべて手作業で行うと労力や時間がかかるうえに、ミスが生じやすいのも事実です。

本記事では、入金処理の流れや課題、管理方法、ミスなく効率的に行うためのポイントについて解説します。

入金処理とは

入金処理とは、売掛金が入金期限までに入金されていることを確認し、入金消込作業を行うまでの業務行程をいいます
売掛金とは、請求済みで未払いの状態にある商品・サービスの代金です。

未入金や金額が不足していた場合には、取引先への催促も業務内容に入ります。

以下に入金処理の詳しい流れを解説します。

入金処理の流れ

一般的な入金処理の流れは以下のとおりです。

  1. 入金予定の確認
  2. 入金確認・売掛金との照合
  3. 未入金の催促・入金額誤りの連絡
  4. 入金消込作業
  5. 残高確認

作業の流れに沿って、入金処理が具体的にどのように行われるのかを確認していきましょう。

1.入金予定の確認

入金消込作業の負担軽減や請求漏れ防止のために、事前に入金予定日の確認をしておきます。発生した売掛金を一覧化し、以下の項目別にまとめておくのがおすすめです。

  • 請求情報
  • 請求日
  • 入金予定日
  • 取引先
  • 請求金額

取引先ごとに締め日や支払いサイト(翌月25日や翌月末日など)が異なるため、それぞれに分けて整理すると確認しやすいです。

入金予定が把握できるとキャッシュフローの予測がつき、資金繰りが改善されることで、安定した経営基盤の構築にもつながります。

2.入金確認・売掛金との照合

取引先から、指定の期日、口座に正しい請求額の入金があるかを確認する業務です。
商品やサービスの提供時に発行した納品書や請求書をもとに、入金額に差異がないかを慎重にチェックしましょう。

入金確認は、単純に1枚の請求書を入金額と照合するだけでなく、実際にはあらゆる状況にあわせて照合が必要です。
例えば、以下の理由で請求書と入金額が合わないケースがあります。

  • 複数の請求の合算による入金
  • 請求額の一部のみの入金
  • 振込手数料負担の有無
  • 消費税の端数処理(四捨五入・切り捨て・切り上げ)による金額の差異
  • 入金ミス
  • 請求金額の変更 など

これらの理由によって差異が生じていた場合は、速やかに原因を明らかにすることが大切です。
まずは、請求書が複数に跨っていないか、最新版の請求書を別で発行していないかなどを確認しましょう。

必要に応じて、経理担当者や営業担当者から取引先に確認を行います。

3.未入金の催促・入金額誤りの連絡

入金予定日までに入金されなかった場合、あるいは入金額に誤りがあった場合は、取引先にメールや電話、郵便などで連絡します。
未入金の催促や誤りの連絡を入れる前に、請求書の送付漏れや振込先口座の案内間違いなど、未入金の事由が自社の問題でないか十分に確認しましょう
誤って催促をしてしまうと、取引先からの信頼を失うリスクがあるためです。

催促してから一定期間が経過しても入金されない場合、内容証明郵便の送付や商品提供の停止などの措置をとる場合もあります。

4.入金消込作業

入金消込作業とは、取引先に請求した金額と入金された金額を照合し、売掛金を消去する作業です。
取引先からの入金が確認できたあとは、社名や名義人、金額の一致をチェックします。

具体的な処理としては、請求段階では売掛金を資産として借方に、売上を貸方に記載します。
入金を確認後、借方の売掛金を預金に変更し、貸方を売上から売掛金に変更して終了です。

入金確認や入金消込を行わないと、売上はあるにもかかわらず入金状況が把握できなくなり、キャッシュフローが悪化する恐れがあります。

5.残高確認

売掛金の残高確認を定期的に行うことも大切です。
売掛金残高一覧表を用意して、売掛金の回収漏れはないか、入金された金額に誤りがないかなどを確認します。

確認作業は、月末や月初め、または数カ月に1回のペースなど、一定期間ごとに行うと良いでしょう。

なお、取引先ごとに補助科目を設定すると確認しやすくなるためおすすめです。

入金処理の注意点

入金処理は正確性が求められる業務であるため、慎重に行う必要があります。
処理するうえで気を付けたい点を確認しておきましょう。

入金消込の漏れ

入金消込に漏れがあると、取引先から入金されているにもかかわらず、未入金と誤認し二重請求してしまうリスクがあります。
入金したのに再度請求されたことで、取引先が自社への信用を失くしてしまうかもしれません。
同時に、自社の売上情報に悪影響を及ぼす可能性があります。

入金消込の漏れは、消込作業が立て込む月末などの締め日に起こりやすい傾向です。
また、規模の大きな企業や取引先の多い企業では処理数が多くなり、人為的ミスが起こる可能性が高くなります。

未入金への催促漏れ

売掛金には5年の消滅時効があり、この期間内に支払いの催促を行わないと、消滅時効が援用され請求権を失います
催促漏れによって売掛金が回収できないと、自社の経営状況が悪化する可能性があります。

また、別のケースとして、入金の催促をしても取引先と連絡が取れない、または支払いに応じない場合も考えられるでしょう。
多額の売掛金がある取引先が支払い不能になった場合、最悪のケースでは連鎖倒産のリスクを負う可能性もあります。

新規の取引先、もしくは経営状態が不安視される取引先に対しては、事前の信用調査を入念に行う必要があるでしょう。
取引先の支払い能力に懸念がある場合は、販売代金の前払いを検討するのも一つの方法です。

入金処理業務で起こりやすい課題

入金処理業務において、起こりやすい課題を3つ解説していきます。

人為的ミスが発生しやすい

入金消込処理を手作業で行う場合、人為的ミスが起こりやすくなります。
よくある人為的なミスは以下の通りです。

  • 請求書と入金額の不一致
  • 名義の読み間違い
  • 複数にまたがる請求書に対する処理ミス

二重請求などのミスをしてしまうと、すでに解説したように取引先からの信用を失うリスクがあります
また、残高不一致の原因を究明するための余計な時間やコストがかかったり、取引先への謝罪・説明などが必要になったりします。

業務負荷が高くなりやすい

月に数十件、数百件という請求がある企業では、手作業での入金処理は時間がかかってしまいます。
正確性の確保のために、ダブルチェックが必要になり、経理担当者の負担はますます大きくなるでしょう。

入金消込業務がスムーズに進まないと、入金状況をリアルタイムに確認できず、急を要するときに即座に対応できないケースもあります。

処理速度を優先したり焦って処理を進めたりすると、前述のような人為的ミスに発展する可能性もあります。

業務が属人化しやすい

入金消込処理は、経理業務の中でも専門性の高い部類に入るため、一部の経験豊かな社員に業務が集中しがちです。
また、手作業での入金処理は、担当者によって作業スピードや正確性に差が出やすい点も課題として挙げられます。

入金消込業務は属人化しやすく、常時対応している担当者が休職・退職した場合、業務が滞るといった問題が起こり得るでしょう。
業務の属人化を防ぎ、効率的に業務を行えるように、自動化の仕組み作りが必要です。

入金処理を効率化する方法

ここまでも触れてきたように、特に手作業での入金処理が抱える課題は多いのが実情です。
以下に、入金処理を効率的に行う方法を2つ紹介します。

Excelを活用する

Excelでの管理は、多くの企業が実際に採用している一般的なやり方です。
関数やマクロ機能を使って入金済みと未入金を色分けしたり、特定のデータを抽出したりできます。

紙の管理台帳などを使用して入金処理をするよりも業務を効率化できますが、自動化する内容によっては、Excel操作のスキルや知識が必要になります。

インターネット上で無料のテンプレートを配布しているサイトもあるため、内容によってはそちらを採用するのも一つです。
さまざまなタイプが配布されているため、いくつかピックアップして比較検討し自社に適したものを選びましょう。

システムを活用する

入金処理をサポートしてくれるシステムの導入によって、入金確認や照合作業の自動化が可能です。
システムによっては、入金処理に特化したものや会計ソフトに付帯されているものなど多様なタイプがあります。

Excelのように専門的な知識やスキルが不要なため経理初心者でも対応可能なうえ、入金処理の作業効率向上をより高次元で達成できます

未収金の管理を営業部門と共有できれば、入金催促の連絡もしやすいでしょう。
効率化したい業務範囲や事業特性などを踏まえて、自社にマッチしたシステム導入が大切です。

まとめ

入金処理は、取引先からの入金を確認し記録する業務で、正確性が求められます。
処理の誤りによって取引先との信頼構築に影響する可能性もあるため、ミスの起きない仕組み作りが欠かせません。

手作業の場合、どうしても人為的ミスが起こりやすく、また作業効率も悪くなりがちです。
経験豊富な担当者に依存してしまい、属人化しやすい点も課題となります。

こういった課題の解決と業務効率化のためには、システムの導入が有効です。

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「月次決算に役立つ情報」編集部

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「月次決算に役立つ情報」編集部

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