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入金消込を自動化するには?自動化のメリットやシステムを導入する際のポイントを解説
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経理処理のうち、入金消込は取引を適正に管理するうえでなくてはならない業務です。
同時に、ささいなミスが信用問題に直結することもあり、確認の手間やコストがかかる業務でもあります。
ミスが許されない入金消込には、まとまった作業時間と労力が必要なため、担当者の負担が大きくなるケースが多いでしょう。
本記事では、入金消込の負担を軽減するべく、入金消込の自動化について解説します。
入金消込は自動化が必要?
入金消込は、取引先からの入金を確認し、売掛金や請求書と照合して消し込む業務です。
入金が適切にされているか確認し、漏れがあった場合は催促の連絡を入れるなど、未払いのリスクや入金の遅延を防ぐための工程です。
この入金消込は、業務負荷が大きく煩雑で、ミスが発生しやすい業務でもあります。
取引先数が増えれば照合が必要な件数も膨大になり、経理部門の負担は大きくなります。
特に、入金は月末に集中しやすいため、月末の経理業務の負担を軽減し、人為的なミスを減らすためにも、入金消込の自動化は不可欠です。
入金の管理をエクセルで行っている場合は、関数やマクロを使えば自動化が可能です。
ただし、マクロを組むには専門的なスキルが必要であり、また、項目の変更があった場合に作成者以外が調整しにくいといったデメリットがあります。
そのため、専用のシステムを導入して入金消込を自動化する企業もあります。
システムを活用することで、効率的かつ正確な入金データの照合を実現できるでしょう。
入金消込の自動化を進めるメリット
入金消込を自動化すると、どのようなメリットがあるのか確認していきましょう。
人為的ミスを削減できる
入金消込を自動化すると、システム上で機械的に照合作業が行われるため人為的ミスを削減できます。
手作業や目視での消込作業では、同じ名称や似たような名称の社名、単純な見間違い、数字の転記ミスといった人為的ミスを防げません。
また、入金されているにもかかわらず消込が漏れて翌月に二重請求となったり、反対に、入金されていないのに消込をしてしまい回収が漏れたりする事態を招く可能性もあります。
入金消込のミスが起こると、経理担当者が一から確認し直す必要があり、不要な時間や労力を費やすことになってしまいます。
属人化を解消できる
従来の経理処理では業務が属人化する傾向がありましたが、システムを導入して消込業務を自動化すれば、属人化の解消が可能です。
特にエクセル管理をしている場合、記入方法が担当者ごとにバラけやすくルールの統一が難しい、リストを作成した本人しか項目変更の調整ができない、といった事態に陥りがちですが、システム導入・自動化により、特定の社員に依存せずに対応できるようになります。
経理業務の経験が浅い社員でも処理可能となるため、特定の経理担当者が休業したり退職したりしても、業務停滞の心配がありません。
また、自動化によって従業員に時間的・精神的な余裕が生まれれば、より重要度の高い業績管理や債権管理、決算関連書類の作成などの業務に専念することが可能になります。
業務を効率化できる
入金消込を自動化すると、手作業や目視確認に比べて業務を正確かつ効率的に進められるため、チェックの手間が省け、作業に要する時間を短縮できます。
また、自動化により即時に入金消込を行うことができれば、未収金の早期発見につながり、速やかに回収対応をとることも可能です。
人為的ミスの減少により担当者の作業負担が軽減されるだけでなく、「ミスをするのではないか」というプレッシャーもなくなり、落ち着いた状態で業務に集中できるようになります。
入金消込の自動化は、取引先や注文件数が多い企業ほど導入するメリットが大きいです。
経営リスクを軽減できる
入金消込を自動化して入金・売掛金管理を正しく行うことで、請求ミスの軽減や未収金のスムーズな回収につながり、キャッシュフローの改善が期待できます。
また、最新の会計情報がリアルタイムで把握しやすくなるため、自社のポテンシャルやリスクが明確になり、経営判断に役立ちます。
未収金状況がリアルタイムでわかるため、取引先ごとの与信管理にも有用です。
他システムと連携できる
入金消込システムの中には、会計ソフトや販売管理システムといった他のシステムと連携できるものもあり、システム間での入金消込データの共有が簡単に行えます。
手作業による労力が必要ないうえに、入力ミスの防止にも役立ちます。
また、リアルタイムで請求や入金に関する情報が把握できるため、正確で細かな対応が可能です。
売掛金残高の自動更新や顧客への請求データ、支払履歴なども一貫して検索できるメリットもあります。
入金消込の自動化が可能なシステムを導入するときのポイント
入金消込の自動化が可能なシステムを導入する際には、社員の労力や作業に要する時間を減少させるため、また、システムをより効果的に活用するために気を付けたいポイントがあります。
自動化の目的と範囲を明確にする
システムを導入する前には、導入目的や自動化したい範囲を明確にすることが大切です。
目的や自動化の範囲があいまいなまま導入すると、目的の作業が自動化されていない、または満足のいくものではないといった事態になりかねません。
また、多くの機能を搭載したシステムを導入したものの、自社では使わない機能が多かった場合、導入費用やランニングコストのための費用負担が大きくなる可能性があります。
まずは自社状況の洗い出しを行い、目的と自動化の対象を明らかにすることが大切です。
情報連携がスムーズに行えるかを確認する
システムを導入する際には、経理担当者と他部署間で情報の共有が円滑に行えるかどうかもチェックする必要があります。
情報連携を円滑に進めるためには、何よりもまず入金情報と請求書の照合が速やかに行われることが大切です。
計算ミスが発生した場合に自動で差額を計算して消込する機能の有無や、バーチャル口座との連携機能の有無を確認すると良いでしょう。
また、経理担当者を経由して他部署へ情報伝達するやり方の場合、必要な情報が届くまでにタイムラグがあり入金状況が変わる可能性があります。
システム化が進めば、他部署からでも随時入金状況が確認でき、必要なときに必要な情報をリアルタイムで活用できるようになります。
操作方法がわかりやすく簡単なものを選ぶ
システムを検討する場合は、操作方法がわかりやすく、誰でも簡単に扱えるものを選ぶことがポイントです。
例えば、メニューやアイコンが視覚的にわかりやすく直感的な操作ができる、ヘルプやチュートリアルが充実している、などです。
また、将来取引先が増えた際の拡張性の高さやメンテナンスのしやすさ、多様な入金パターンへの柔軟性なども視野に入れると良いでしょう。
他システムと連携できるかチェックする
既に導入しているソフトやサービスがある場合、それらと連携が可能かどうかも選定ポイントです。
連携が可能であれば、コストを削減しつつ導入や業務の効率化を図れます。
連携方法が容易で理解しやすく、連携におけるサポートが充実しているかどうかも確認しましょう。
入金消込システムの機能には、入金消込以外にも、売掛金計上や請求書発行、API連携などがあります。
自社に必要な機能が搭載されているものを選択しましょう。
サポートが充実しているものを選ぶ
サポート体制の充実もシステム導入のポイントとなります。
運用をしていくうえで、疑問が生じたりシステム上のトラブルが発生したりすることがあるでしょう。
その際に、社内に一定のスキルや知識を持った人がいない場合、対応が難しくなります。
サポート体制が充実しているサービスであれば、すぐに疑問やトラブルの解消ができるため、いざというときに安心です。
まとめ
入金消込は、経理業務のなかでも業務負荷が大きく煩雑で、ミスが発生しやすい業務の一つです。
手作業・目視確認によるミス、経理担当者にかかる負担を軽減するためにも、システムを導入して自動化することが有効です。
入金消込システムを導入すると、人為的ミスの削減や属人化の解消、業務の効率化が図れるといったメリットがあります。
経理業務の抱える課題を解消するためにも自社が内包する課題を洗い出し、システムの導入を検討しましょう。
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執筆・編集
「月次決算に役立つ情報」編集部