- 生産性向上
AX(AIトランスフォーメーション)とは?DXとの違いやメリット、導入を成功させる方法
公開日:

AIの普及により「AX(AIトランスフォーメーション)」への注目が高まっています。一方で、AXとは実際にどんな取り組みなのか、業務にどんなメリットがあるのか分からない、と感じている方も多いのではないでしょうか。
人手不足が深刻化する今、AXは単なる流行語ではなく、企業が生産性を維持するための重要な戦略です。本記事では、特にバックオフィス業務におけるAXの取り組みや、導入を成功させるためのポイントについて解説します。
経理AXサービスで経理業務を効率化
AX(AIトランスフォーメーション)とは?

AXは、AIを活用して企業の業務やビジネスモデルを変革する取り組みです。ここでは、AXの定義と注目される背景について解説します。
AXの定義
AXとは「AI Transformation」の略称です。AI(人工知能)を単なる補助的なツールとしてではなく、業務プロセスや製品、サービスそのものに組み込み、ビジネスモデルを変革することを指します。
AXにおいて重要なのは、特定のソフトウエアを導入して終わるのではなく、AIによる予測・判断・自動化を経営の中枢に据えることです。これにより、これまでの延長線上にはない抜本的な業務改善や付加価値の創出を目指します。
AXが注目される理由
AXが急速に注目を集めている背景には、日本の構造的な課題である「労働人口の減少」があります。これにより、従来のように「人を増やして業務を回す」という手法は物理的に困難になってきました。
また、いわゆる「2025年の崖」といったIT基盤の老朽化問題も深刻化しています。多くの企業で既存システムが複雑化・ブラックボックス化しており、その維持管理に多くのリソースが割かれているのが現状です。
一方で、生成AIや機械学習の進化により、これまで人間にしかできなかった「判断業務」をAIが担えるようになりました。文章の作成・要約、画像の認識・分類、データの分析・予測など、AIが対応できる領域は年々広がっています。
このような変化を受けて、これまで人間が行っていた業務をAIに代替・支援させるAXが、企業の持続的な成長を支える手段として関心を集めています。
AXとDXの違い

AXと混同されやすい言葉として、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」があります。両者は対立する概念ではなく、役割に違いがあると捉えるのが適切です。
DXは、アナログ情報のデジタル化やIT基盤の整備を通じて、ビジネスを変革するための「環境を整える」フェーズといえます。IT技術を用いて既存のプロセスをデジタルに置き換え、データを蓄積できる状態にすることが主な目的です。
対してAXは、DXによって蓄積された膨大なデータをAIが解析・活用し、「新たな価値や効率を生み出す」フェーズを指します。これを簡潔に表現すると、以下のようになります。
「DXでデータを貯め、AXでデータを活用する」
つまり、DXによって土壌を整えた後に、AIというエンジンを搭載して最大限の成果を引き出すのがAXの役割です。
経理AXサービスで経理業務を自動化
AXと相性が良い業務

AXはさまざまな分野での活用が期待されていますが、特にその効果を発揮しやすい業務にはいくつかの特徴があります。
定型・ルールベースで処理できるバックオフィス業務
AIは、大量のデータの中から「パターンを認識し、分類する」作業を得意としています。そのため、ルールが確立されているバックオフィスの定型業務はAXとの相性が良い業務といえます。
定型業務の代表例として挙げられるのは、経理の伝票起票、請求書処理、経費精算などです。また、総務における備品発注や人事の勤怠集計、給与計算なども、AIが得意とする「パターン認識・分類」の能力を活かしやすく、導入後の効果を実感しやすい分野です。
データ量が多く、蓄積しやすい業務
バックオフィスには、以下のような多様な情報資産(データ)が集まります。
- 経理: 請求書、領収書、仕訳データ、支払いデータ
- 労務: 勤怠データ、人件費データ
- 購買: 発注履歴、仕入データ
これらのデータが適切にデジタル化され、整備されていれば、AIを用いた予測や異常検知、将来のシミュレーションといった高度な活用につなげやすくなります。
また、カスタマーサポートの問い合わせ履歴といった、フロントオフィスに近い領域でも、データ量が多い業務はAXの対象になり得ます。
AIによる経理業務の効率化については、以下の記事もお読みください。
数値で効果を測りやすい業務
作業時間の削減、残業時間の短縮、ミス件数の減少など、効果をKPI(重要業績評価指標)として測定しやすい業務もAXの活用に向いています。例えば、経理における入力工数の削減などは、削減された時間やコストの算出が可能です。
ROI(投資対効果)を客観的な数値で示せる領域から取り組むことで、経営層や他部署への説明がしやすくなり、全社展開に向けた理解を得やすくなります。
AX導入を成功させるポイント

AXを導入する際には、いくつかの注意点があります。ここでは、導入を成功させるための3つのポイントを紹介します。
いきなり全社展開しない
「全社の業務を一気にAI化しよう」とするトップダウン型のプロジェクトは、現場の混乱やコスト増大を招きやすい傾向にあります。業務プロセスの理解が不十分なまま導入を進めると、かえって非効率になるケースも少なくありません。現場の担当者が新しいツールに慣れる前に次々と変更が加わると、定着しないまま終わってしまうこともあります。
また、目的が曖昧なまま「とりあえずAIツールを入れる」ことも避けたほうがよいでしょう。「何を改善したいのか」「どの業務課題を解決したいのか」を明確にした上で、効果が見込める領域から段階的に取り組むことが重要です。
アナログ業務の置き換えから始める
AXの最初の一歩として向いている業務は、アナログで手間のかかる「紙書類のデータ化」や「手入力業務」の置き換えです。これらの業務は作業時間を可視化しやすく、改善効果を実感しやすい領域といえます。
特に、取引先との接点となる「請求書の受領」などは、多くの企業でボトルネックになりやすい業務です。紙で届く請求書の開封・仕分け・入力といった作業をAI化することで、大きな工数削減が期待できます。
既存のクラウドサービス(SaaS)を活用する
AXを実現するために、自社で専門のエンジニアを雇用し、独自のAIモデルをゼロから開発する必要はありません。
最近は、すでにAI機能が組み込まれているクラウドサービス(SaaS)が数多く提供されています。こうしたサービスを利用すれば、多額の初期投資を抑えつつ、短期間で高度なデータ分析や業務プロセスの自動化を実現することが可能です。
優れた既存ツールを活用することが、最も手軽で確実なAXの実践方法といえます。自社の業務課題に合ったサービスを選定し、まずは特定の業務から導入を始めてみることが、AXを成功させる近道です。
受領も発行も対応!請求書業務を効率化
バックオフィス業務におけるAXのメリット

バックオフィス業務にAXを導入することで、業務のあり方はどのように変わるのでしょうか。ここでは、代表的な3つのメリットを紹介します。
入力・照合業務の自動化による効率化
経理業務では、AIが請求書や経費精算の内容を読み取り、会計システムへの入力や仕訳候補の作成までを自動化することが可能です。これにより、従来多くの時間を割いていた手入力や照合作業の負担が大幅に軽減されます。
また、労務における勤怠データの集計や残業時間のチェック、総務での申請書類の受け付け・仕分けといった業務も、AIによって効率化できます。担当者が直接手を動かす定型的な作業を最小限に抑えることで、月末月初の残業時間を削減できるだけでなく、企画や改善といった付加価値の高い業務へ注力できる環境を整えられる点が大きなメリットです。
ヒューマンエラー削減とコンプライアンス強化
バックオフィス業務では、人間による入力ミス・二重計上・計算違い・承認漏れなどのエラーが発生しがちです。こうしたミスは、後工程での手戻りや、場合によっては取引先との信頼関係に影響を与えかねません。
AIによる自動チェックや過去データとの突合を活用すれば、異常値や不正の兆候を早期に検知しやすくなります。たとえば、通常とは異なる金額パターンや、頻度の高い特定取引先への支払いなどを自動的に抽出し、担当者に確認を促すことが可能です。
これにより、経理の不正支出や架空請求、労務の不適切な手当支給などを未然に防ぎ、ガバナンス・監査対応の強化にもつながります。
リアルタイムでの予実管理と経営層へのデータ提供
AXにより、経理データ・人件費データ・購買データなどがほぼリアルタイムで更新されるようになると、予算対比やコスト分析の精度が高まります。これにより、月次決算を待たずに、支出の増加傾向や人件費の偏りを把握することが可能です。
経営陣にタイムリーなアラートやシナリオ分析を提供できるようになれば、バックオフィスは「記録業務の担い手」から「経営のナビゲーター」へと役割を広げていくことができます。
バックオフィスのAX導入に向けたステップ

AXを導入する際には、段階的に進めることが大切です。ここでは、導入に向けた3つのステップを紹介します。
部署ごとの業務フローを棚卸しし、作業時間を可視化する
まずは、経理・総務・労務・購買などバックオフィス各部署で、誰が、どの業務に、どれくらいの時間を使っているかを洗い出します。経理であれば請求書の開封・仕分け・ファイリング、労務であれば紙の申請書の入力など、見えづらい作業時間を「見える化」することが、AX導入の第一歩です。
日常的に行っている業務ほど、どれだけ時間がかかっているか意識されにくい傾向があります。実態を把握することで、改善すべきポイントが明確になります。
導入効果の高い業務を特定する
棚卸した業務の中から、繰り返しが多い、ミスが許されない、他部署にも影響が大きいといった観点で、優先度の高い業務を特定します。
多くの企業でボトルネックになりやすいのは、経理の請求書処理・支払い業務・経費精算などです。こうした業務を起点にAXの対象を選定することで、効果を実感しやすくなります。
現場を巻き込んだトライアルと定着支援を行う
AX導入に対して「仕事が奪われるのでは」と不安を感じる現場担当者もいます。導入の目的やメリットを丁寧に説明し、理解を得ることが大切です。
少人数のチームでトライアルを実施し、マニュアル整備・研修・フィードバックの場を設けることで、新しい業務フローを定着させていきましょう。
まとめ
AXは、労働人口が減少するこれからの時代において、企業が持続的に成長するために避けては通れない取り組みです。特に、定型業務が多くデータが集まりやすいバックオフィスは、AXの恩恵を最も受けやすい領域といえます。
AX成功の鍵は、いきなり全社的な大規模改革を目指すのではなく、現場のボトルネックとなっているアナログな業務から着実に効率化していく「スモールスタート」にあります。その第一歩として、経理業務の効率化から始めてみてはいかがでしょうか。
「Bill One」は、請求書受領、経費精算、債権管理といった、さまざまな業務領域の課題を解決する、経理AXサービスです。請求書や領収書といった証憑書類が関わる全社の業務プロセスを根底から変えることで、経理部門に限らず、企業全体の生産性を高めます。
請求書受領業務では、あらゆる形式の請求書をオンラインで受け取り、クラウド上で一元管理できます。
債権管理業務では、請求書の発行から入金消込まで、請求業務を自動化し、全社で債権の状況を把握できます。
経費精算業務では、全社員の経費の支払いをBill Oneビジネスカードで行うことで、経費精算に必要な対応をオンラインで完結し、企業から立替経費をなくすことができます。
これらを1つのサービスで実現できるのが「Bill One」です。
Bill One請求書受領の特長
- 紙や電子などあらゆる形式の請求書をオンラインで受領し、99.9%の精度*で正確にデータ化する
- 受領した請求書データを一元管理できる
- インボイス(適格請求書)の要件を満たしているかを自動チェック
- 適格請求書発行事業者番号が事業者名と一致しているかも自動で照合
- 電子帳簿保存法に対応した保存要件で受領した請求書データを適切に保管
- 暗号化やPMSの構築などの高度なセキュリティー対策を設けている
*Sansan株式会社が規定する条件を満たした場合のデータ化精度
Bill One債権管理の特長
- 請求先ごとに固有のバーチャル口座を振込先として請求書を作成・発行
- 名義不一致や複数の請求分を一括した合算入金も自動で消込処理
- 現在利用中の基幹システムとも柔軟に連携可能
- 発行済みの請求書と入金状況をリアルタイムに一覧表示・管理可能
- 請求書の作成・発行から入金消込、社内での照会・共有までをBill One上で完結
Bill One経費の特長
- 全社員へのBill Oneビジネスカード配布によって立替経費をなくせる
- 領収書の受け取りから承認、仕訳、保管まで、経費精算に必要な対応をオンラインで完結
- 99.9%*の精度で領収書をデータ化し、自動で利用明細と突合
- 電子帳簿保存法やインボイス制度への対応
- カード利用状況のリアルタイム把握と不正利用の防止
- 1カ月当たりの利用限度額が最大1億円
- カードごとの利用限度額設定が可能
- 年会費・発行手数料無料
*Sansan株式会社が規定する条件を満たした場合のデータ化精度
Bill Oneは経理業務にかかる工数を削減・効率化し、月次決算の加速に役立ちます。ぜひ導入をご検討ください。

執筆・編集
「月次決算に役立つ情報」編集部






