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証憑管理を徹底解説!種類や保管期間、電子化のメリットやシステム導入のステップを紹介
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証憑管理は、企業が発行・受領する書類を、法令に基づいて適切に保存・運用する業務を指します。これは企業の会計処理の正当性を担保し、企業の信頼やコンプライアンスにもつながります。特に2024年1月からは、電子取引データの電子保存が義務化され、企業には電子化への対応がより強く求められています。
この記事では、証憑の基本的な知識や適用される法令、具体的な管理プロセスを解説します。さらに、電子化によるメリットと、システム導入までのステップ、チェックポイントをご紹介します。
本記事を通じて、貴社の証憑管理の適正化を図り、法令遵守と業務効率の向上に役立ててください。
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証憑管理の概要とその意義

証憑とは、企業活動における取引や契約が実際に行われたことを証明する書類を指します。具体的には、発注書、請求書、領収書、納品書などが該当します。
企業がこれらの証憑を適切に管理すること、すなわち証憑管理は、ビジネスにおいて重要な役割を担います。証憑は、会計帳簿に記載された内容の正当性を裏付ける根拠となるためです。
適切な証憑管理を行うことで、企業の会計処理の信頼性が高まり、税務調査や利害関係者への報告にも対応できます。証憑を正確に保管・管理することは、企業のコンプライアンスの基盤となり、健全な事業活動を維持するために必須の業務といえます。
証憑の4つの種類

企業の取引は多岐にわたりますが、証憑はその性質によって主に4つの種類に分けられます。本記事では証憑を管理目的ごとに4つに分類して説明します。
売り上げに関する証憑
売り上げに関する証憑とは、企業が商品やサービスを提供し、収益を得た取引に関連する書類です。具体的には、売買契約書や企業が発行した請求書、領収書などがこれに当たります。
これらの書類は、売り上げが正確に計上されているかどうかを裏付けるため、紛失したり、内容に誤りがあったりすると、企業の信用にも関わります。
仕入れに関する証憑
仕入れに関する証憑は、企業が事業を行うために必要な商品や原材料、サービスなどを購入した取引に関連する書類です。取引先から受け取った見積書や発注書、納品書などがこれに該当します。
仕入れに関する証憑は、原価を正確に把握するために重要です。これらの証憑が正しく管理されていないと、正確な在庫数の把握が難しくなったり、企業のキャッシュフローに影響が出たりする可能性があります。仕入れの取引内容を明確にし、支出を正確に記録するために欠かせない証拠となります。
雇用に関する証憑
雇用に関する証憑は、企業と従業員との間で発生する取引や雇用関係を証明する書類です。例えば、採用時に提出された履歴書や、企業と従業員の間で交わされる雇用契約書、毎月の給与明細などが挙げられます。
これらの証憑には、従業員の氏名や住所、給与額といった個人情報が数多く含まれています。個人情報の漏えいは、企業の信用を失い、従業員への二次被害を及ぼすリスクがあるため、厳重な管理が求められます。法律に基づいた適切な証憑管理を行い、プライバシー保護の観点からも細心の注意を払いましょう。
その他の書類
上記3つの分類に当てはまらない書類も、証憑として管理する必要があります。例えば、販管費に関する請求書や税金の納付書、有価証券に関する通知書などが該当します。
これらの書類は、日常的な取引以外で発生する費用や、企業の資産状況を示す重要な記録です。例えば、契約内容を変更した際の書類や、税務署からの通知文書などは、契約の有効性や税金の支払い義務などを証明するために必要となります。特に税務調査などで過去の取引の経緯を確認する際に利用するため、これらの書類も適切に保管する必要があります。
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証憑管理に関する法律

証憑を適切に管理するためには、関連する法律の規定を理解することが必要です。特に、証憑の保存期間については、いくつかの法律で細かく定められています。
証憑の保存期間に関する法律
どの証憑をどれくらいの期間保存しておくべきかは、法律によって異なります。ここでは、代表的な法律について説明します。
法人税法
法人税法では、企業の会計処理や税務申告の根拠となる証憑の保存期間が定められています。計算書類などの保存期間は、当該事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間と規定されています。
計算書類には、契約書、注文書、注文請書、領収書、見積書、預金通帳、納品書、送り状など、多くの証憑が含まれます。これらの書類は、税務署が企業の申告内容をチェックする際に使用するため、定められた期間、確実に保管しなければなりません。
会社法
会社法は、株主や債権者といった利害関係者に対して、企業が透明性のある経営を行っていることを示すために、証憑や会計関連書類の保存期間を定めています。
10年間の保存が義務付けられているのは、会計帳簿や計算書類、附属明細書です。これらは、企業の財産状況や損益の状態を詳細に記録した、事業の根幹となる情報であるため、最も長い期間の保存が求められます。
電子帳簿保存法
電子帳簿保存法は、国税関係の帳簿や書類を、紙ではなく電子データで保存することを認めた法律です。この法律は、企業の経理業務におけるデジタル化を推進し、効率化を図ることを目的としています。
現在、企業が電子メールやクラウドサービス、EDIシステムなどを利用してやりとりした請求書や領収書といった電子取引データは、原則として電子データのまま保存することが義務付けられています。
企業はこれらの電子取引データを保存する際、法令が定める保存要件をすべて満たす必要があります。これらの要件を満たさない場合、税務調査で経費の損金算入が否認され、追徴課税のリスクがあるため、企業は要件を満たした上で電子データとして適切に保存できる仕組みを構築する必要があります。
紙と電子データの証憑管理プロセス

証憑管理のプロセスは、紙で管理するか、電子データとして管理するかによって異なります。ここでは、企業が取引の支払い・入金確認を実施し、仕訳を入れた後の一般的なプロセスについて説明します。
紙の場合
紙で証憑を管理する場合、経理担当者はまず受け取った領収書や発行した請求書などの証憑を集め、後から探し出しやすいように仕分けを行います。この仕分けは、取引先別や月別など、社内のルールに基づいて行われます。
次に、分類した証憑を専用のファイルに綴じます。ファイリングの際には、時系列や取引先名の五十音順など、規則正しく整理すると、後日検索する際に探しやすくなります。
ファイリングが完了した書類は、キャビネットや倉庫など、決められた保管場所に移し、保管されます。この保管中に紛失や破損がないよう、適切に管理しなければなりません。
最後に、法定の保存期間が過ぎた証憑については、情報漏えいを防ぐため、シュレッダーにかけるなどの適切な方法で破棄します。
電子データの場合
証憑を電子データで管理する場合、電子帳簿保存法への対応が必須となります。取引先と電子メールやクラウドサービスなどを利用してやりとりした電子取引データは、そのまま電子データとして保存されます。その際、電子帳簿保存法の要件を満たした方法で保存することが求められます。
一方、紙で受け取った領収書や請求書などの証憑については、スキャナーなどを使って読み取り、電子データ化します。このスキャナ保存のプロセスも、タイムスタンプや解像度など、法律で定められた要件に従って行う必要があります。
電子データとして保存が完了し、スキャナ保存の要件も満たした紙の証憑については、基本的に社内規定に基づいて廃棄することが可能です。なお、「電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】」の問3には、次のように記載されています。
『令和3年度の税制改正において、適正事務処理要件(旧規則第3条第5項第4号。紙段階での改ざん等を防止するための仕組み)の規定が廃止され、令和4年1月1日以後に保存を行う国税関係書類については、定期的な検査を行う必要がなくなりました。そのため、スキャナで読み取り、折れ曲がり等がないか等の同等確認を行った後であれば、国税関係書類の書面(紙)は即時に廃棄することとして差し支えありません。』
国税庁ウェブサイト「電子帳簿保存法一問一答 【スキャナ保存関係】 」
上記のとおり、条件を満たす場合には書面の破棄も可能となりましたが、顧問税理士がいる場合は相談のうえ判断するようにしましょう。
証憑管理を電子化するメリット

証憑管理を紙から電子データへ移行することには、企業にとって多くの利点があります。
業務効率化
証憑管理を電子化するメリットの1つは、業務の効率化が図れる点です。紙の書類を整理したり、ファイリングしたり、保管場所から探し出したりするなどの業務が削減されます。
また電子化によって、証憑を扱う場所を選ばなくなり、テレワークなどの柔軟な働き方が可能となります。場所にとらわれずに業務が進められるようになるため、生産性の向上にもつながります。
コスト削減
電子化はコストの削減にも貢献します。紙の証憑を印刷するための紙代やインク代、遠方の取引先へ郵送するための郵送費が不要になります。
特に近年、郵便料金の値上げが企業の経費負担を増大させる要因となっています。
例えば、請求書を紙で発行している企業では、郵便料金の値上げによって、一社当たり年間で約108万円の追加費用が見込まれるという調査結果もあります(Sansan「請求書の発行業務に関する実態調査」より)。証憑管理を電子データに切り替えることで、こうした郵便料金の負担増を避けることができ、経費削減に有効です。
さらに、紙の書類を保管するために必要なファイルやバインダーの購入費、そして保管スペースにかかる費用が不要となります。
ガバナンス強化
電子データで証憑管理を行うことは、企業のガバナンスの強化にもつながります。紙の証憑は、火災や水害などで紛失したり破損したりするリスクがありますが、電子データであれば、クラウドに保管したりバックアップを取ったりすることで、そのリスクを低減できます。
またシステム上でアクセス制限を設けたり、操作履歴を記録したりすることで、改ざんや情報漏えいのリスクも抑制できます。セキュリティーが強化されることで、企業の情報管理体制が確立され、コンプライアンスの遵守にも貢献します。
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証憑管理システムの導入ステップとチェックポイント

証憑管理の電子化を進めるためには、専用の証憑管理システムを導入することが有効な手段です。ここでは、導入までのステップと、システム選定時に確認すべきポイントについて解説します。
証憑管理システム導入までのステップ
証憑管理システムの導入には時間がかかるため、計画的に進める必要があります。
体制構築と要件定義
まず証憑管理の電子化プロジェクトを推進するための体制を構築します。そして、電子化に関する新しいルールを設定します。例えば、どのような証憑を電子化の対象とするか、誰が管理をするかなどです。
次に、新しい証憑管理システムに何を求めるのかという要件定義を行います。現行業務の課題を洗い出し、システム導入によって実現したい機能や効果を明確にします。
システム選定
要件定義で明確になった条件に合うシステムを比較検討します。多くのシステムの中から自社に最適なものを見つけるために、必要に応じてトライアルを実施することも有効です。
また証憑管理の機能は、会計システムや経費精算システム、請求書受領システムなど、既に利用している基幹業務システムに機能の一部として含まれていることもあります。例えば、経費精算システムに内蔵された証憑管理機能を活用すると、精算プロセスと連携できて内容確認と保存が同時に可能となり、経費精算業務の効率化にもつながります。
ルールの確定と定着化
導入するシステムが決まったら、そのシステムに合わせた電子化の運用ルールを確定させます。例えば受領から登録までの手順やファイル名の命名規則、原本の保管・廃棄手順などが挙げられます。
そして新しいシステムとルールを社内に定着させるため、従業員に周知することも重要です。システム操作に関するマニュアルを配布したり、全従業員を対象とした研修を実施したりすることで、社内全体で正しく証憑管理が行われるように浸透させます。
証憑管理システム選定時に確認すべき点
証憑管理システムを新しく導入する際は、2つのポイントを確認しましょう。
電子帳簿保存法への対応
導入するシステムが、最新の電子帳簿保存法の要件に対応しているかを確認する必要があります。例えば検索などの法定要件を満たしているか、データの訂正や削除などの作業履歴が記録される仕組みがあるかを確認しましょう。
システムとのデータ連携
すでに企業で利用している会計システムや経費精算システムなどと、導入を検討している証憑管理システムがデータ連携できるかを確認しましょう。もし連携できない場合、システムで入力したデータを、もう片方のシステムに手作業で入力し直すことになり、作業が二度手間になる可能性があります。
まとめ
証憑管理は、発注書や請求書、領収書といった取引の証拠となる書類を適切に扱うことです。これは企業の取引の正当性を裏付け、事業の信頼性と帳簿の正確性につながります。
証憑は、売り上げ、仕入れ、雇用、その他の4つに分類されます。それぞれの書類について、法人税法や会社法に基づき、7年間や10年間といった保存期間が法律で定められています。
証憑管理を電子化することで、紙での管理と比べて、書類の整理や検索の手間が減り、業務効率が向上します。また、紙や保管スペースの削減によるコスト削減や、紛失・改ざんリスクの低減によるコンプライアンス強化にも有効です。
システム導入時は、既存システムとのデータ連携や、電子帳簿保存法への対応について十分確認した上で、自社に合ったシステムを選ぶようにしましょう。
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記事監修者のご紹介
弁護士 小野 智博
弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所 代表弁護士
保有資格:弁護士
慶應義塾大学環境情報学部卒業。企業のDXサービスについての深い理解に基づき、企業法務を提供している。特に、グローバル事業の支援を得意とし、「国際ビジネス法務サービス」を提供している。また、ECビジネス・Web 通販事業の法務を強みとし、EC事業立上げ・利用規約等作成・規制対応・販売促進・越境ECなどを一貫して支援する「EC・通販法務サービス」を運営している。著書「60分でわかる!ECビジネスのための法律 超入門」
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執筆・編集
「月次決算に役立つ情報」編集部







