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請求書の送り方|郵送のマナーからメールの文例まで徹底解説
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請求書の送り方には、郵送やメールなど、いくつかの方法があります。請求書の発行方法に関する明確なルールはありませんが、ビジネスマナーを踏まえて送ることで、取引先に対して信頼感を与えることができます。
この記事では、請求書を送る際のマナーや注意点を解説します。また、請求書をメールで送る際の文例や、請求書送付を効率化する方法についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
請求書の一般的な送り方
請求書の主な送り方には、以下の3つの方法があります。
- 郵便で送る
- FAXで送信する
- PDFファイルをメールで送信する
それぞれの方法について違いを解説します。
1.郵便で送る
請求書を郵便で送る方法は、現在も多くの企業で採用されています。紙の請求書を封筒に入れ、取引先に郵送することで、正式な書類としての信頼性が確保されます。
なお、請求書は信書に該当するため、宅配便ではなく郵便で送付することが適切です。
2.FAXで送信する
FAXで請求書を送信する方法は、書類のやり取りに迅速さが求められる場合に便利です。FAXはリアルタイムでの送信が可能で、相手側に即座に書類を確認してもらうことができます。
ただし、FAX送信は紙での送付に比べて画質が劣ることがあり、文字がかすれたり消えたりするリスクがあります。場合によっては、FAX送信後に確認の電話を入れるとより確実です。
3.PDFファイルをメールで送信する
請求書をPDFファイルとしてメールで送信する方法は、コスト削減や迅速な送付が可能なため、非常に効率的です。PDF形式は改ざんされにくく、受け取り側でも簡単に印刷できます。
メールで送信する際は、ファイル名や件名に「請求書」と明記し、送信後には開封確認を行うと安心です。ただし、企業によってはメールでの請求書送信が禁止されている場合もあるため、事前に取引先に確認を取りましょう。
請求書を郵送する際のマナー
請求書を郵送する際は、以下の4つのマナーを押さえておくと安心です。
- 送付状を添える
- 適切なタイミングで送付する
- 封筒の表書きは読みやすく丁寧に書く
- 請求内容に不明点がある場合の問い合わせ先を明記する
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
1.送付状を添える
送付状は、取引先に請求書を発送したことを伝えるための書類です。請求書に送付状を必ず添えなければならないという決まりはありませんが、添付することで受取人に対して丁寧な対応を示し、請求書の内容をより明確に伝えることができます。
送付状の詳細な書き方や注意点については、別の記事で解説しています。詳しくは以下のリンクをご覧ください。
2.適切なタイミングで送付する
請求書を郵送する際は、適切なタイミングを考慮する必要があります。各企業で「毎月月末締め、翌月末支払い」など、締め日・支払日が決まっており、月末締めの場合は、月末もしくは月初3〜5営業日くらいまでに送付を求められる場合が多いです。
ただし、商品の納品や役務の提供が完了したタイミングで請求書の発行を求める企業もあるため、取引先の締め日、支払日、請求書の送付期限を事前に確認しましょう。
また、契約や取引条件に従い、祝日や長期休暇を避けるようにしましょう。緊急の場合は送付状で早期対応をお願いするのも方法の一つです。
3.封筒の表書きは読みやすく丁寧に書く
請求書を郵送する際は、封筒の表書きを読みやすく丁寧に記入することが重要です。受取人の会社名や担当者名、住所を正確に記載し、文字ははっきりと書きます。
また、封筒には「請求書在中」と明記し、受取人が一目で重要な書類であることを認識できるようにしましょう。
4.請求内容に不明点がある場合の問い合わせ先を明記する
郵送で請求書を送付する場合は、受取人が疑問や質問があった際に備えて、問い合わせ先を明記しておくと安心です。
請求書に記載する問い合わせ先には、担当者の名前、電話番号、メールアドレスなど、連絡が取りやすい情報を含めるようにしましょう。
また、問い合わせ先の情報は請求書の最後に分かりやすく記載し、「ご不明点がございましたら下記までご連絡ください」といった文言を付け加えると受取人にとって親切です。
請求書を郵送する際の注意点
請求書を郵送する際の注意点は、以下の6つです。
- 提出期限を前もって確認しておく
- 適切な封筒に入れて送る
- 書類の折り方・封入の仕方に気をつける
- 原則として普通郵便で送る
- 請求書の記載内容を再確認する
- 郵送トラブルに備えて控えを保管する
それぞれの内容について解説します。
1.提出期限を前もって確認しておく
請求書を郵送する際は、提出期限を前もって確認することが重要です。契約書や取引先の指示を確認し、期限までに余裕を持って請求書を発送することで、取引先との信頼関係を維持できます。
万が一の遅延を避けるため、取引先に指定された送付期日から逆算し、期限の数日前には届くように余裕を持って請求書を送付しましょう。
2.適切な封筒に入れて送る
郵送で請求書を送付する際は、適切な封筒を選ぶようにしましょう。
通常、請求書はA4サイズのため、封筒はA4用紙をそのまま入れられる「角形2号(332mm×240mm)」または、三つ折りにしたA4用紙を入れる「長形3号(235mm×120mm)」が一般的です。
封筒の色は、一般的に白色または薄い青色がよく使われますが、茶封筒でも問題はありません。
3.書類の折り方・封入の仕方に気をつける
請求書を郵送する場合は、書類の折り方と封入の仕方に注意しましょう。
A4サイズの請求書を「長形3号」封筒に入れる場合は、三つ折りが一般的です。まずは下から約三分の一の位置に折り、次に上から折り下げて書類全体が封筒に収まるようにします。請求書を封筒に入れる際は、封筒を裏向きにして、三つ折りにした請求書の上端が右側にくるようにします。
A4サイズの請求書をそのまま「角形2号」封筒に入れる場合は、折らずにそのまま封筒に入れてください。
4.原則として普通郵便で送る
先述のとおり、請求書は信書に当たるため、原則として普通郵便で送るのが基本です。
ただし、送付先に急ぎの処理が求められる場合は、速達や書留郵便を利用することも検討してください。速達や書留郵便を活用すれば、郵送中のトラブルや遅延を防ぎ、確実に請求書を届けることができます。
5.請求書の記載内容を再確認する
請求書を郵送する前に、記載内容の再確認を行いましょう。
金額、取引内容、取引先の情報、添付書類の有無、形式やレイアウトに誤りがないかをチェックすることで、トラブルを防ぎ、スムーズな取引を維持できます。
6.郵送トラブルに備えて控えを保管する
請求書を郵送する際は、トラブルに備えて控えを保管しておくと安心です。請求書のコピーを取り、送付日や受取先の情報に加えて、郵送手段の記録も残しておきましょう。
請求書をメールで送る際の注意点
請求書をメールで送付する際の注意点として、「ファイル形式を確認する」「請求書のファイル名をわかりやすくする」の2点を解説します。
- ファイル形式を確認する
- 請求書の添付ファイル名をわかりやすくする
1.ファイル形式を確認する
請求書をメールで送る際、まず確認すべきはファイル形式です。取引先が指定する形式があれば、それに従うのが基本です。一般的には、開封時に誤って編集されるのを防ぐため、PDF形式がよく使われます。
2.請求書の添付ファイル名をわかりやすくする
請求書をメールで送付する際は、添付ファイル名をわかりやすく設定することが大切です。ファイル名が曖昧だと、受取人が内容を確認しにくくなり、スムーズに処理が進まない可能性があります。
例えば、「請求書.pdf」ではなく、「2024年8月_株式会社〇〇_請求書.pdf」のように、発行年月日、取引先名、書類の種類が一目で分かるようにすることで、受取側にとっても管理がしやすくなります。
請求書をメールで送る際の例文
請求書をメールで送る際の本文の文例は、以下のとおりです。メール作成時の参考にしてみてください。
請求書を送る前に確認すべきポイント
請求書を送付する前に、以下の3つのポイントを確認しておきましょう。
- 送付方法を取引先と確認しているか
- 請求書の内容に不備がないか
- 請求書の送り先に間違いがないか
確認すべきポイントをそれぞれ解説します。
1.送付方法を取引先と確認しているか
請求書を送付する前に、必ず取引先と送付方法を確認しましょう。取引先によっては、メール送付や郵送など、指定の送付方法がある場合が少なくありません。
特に、メールでの送付を希望される場合は、ファイル形式や添付のルールなども合わせて確認しておくとよいでしょう。
2.請求書の内容に不備がないか
請求書の内容に誤りがないかをチェックしたうえで、送付の準備を進めましょう。
書式や記載項目について特に定められたルールはありませんが、一般的な内容は以下です。
- 請求先情報
- 請求日・支払い期限
- 請求内容
- 支払い条件
- 備考欄
上記に挙げたような内容を確認し、請求書が受取人にとって明確で理解しやすいものになっていることを確認してください。
3.請求書の送り先に間違いがないか
請求書の送付前には内容と合わせて、送付先が間違っていないかどうかも確認しましょう。
請求書の送付先に誤りがあると、請求書が届かない、または処理が遅れる可能性があります。住所や担当者の名前、メールアドレスなど、正確な情報を必ず確認しましょう。
郵便料金値上げによるコスト増にも注意
2024年10月1日から実施された郵便料金の改定にともない、請求書の郵送にかかるコストが増加しました。通常、請求書を郵送する際に使用される25g以下の定形郵便物は、84円から110円と約30%も値上がりとなり、毎月大量の請求書を郵送している場合、郵送コストに大きく影響を与えます。
Sansan株式会社の調査によると、「郵便料金の値上げによる追加費用は、一社あたり年間平均約108万円(※)、中堅・大手企業に絞ると139万円に増加」する見込みとなっています。
コスト増を抑えるためには、下記で紹介するメール送付や郵送代行サービスの利用、請求書発行システムの導入も検討してみるとよいでしょう。
参照:Sansan株式会社「請求書の発行業務に関する実態調査」を実施~郵便料金値上げまで半年も、請求書発行は「紙が多い」が約6割。一方で約半数が紙から電子への切り替えを検討~」
※一件の請求書を一つの郵便物として送付した場合の費用。「(紙の請求書の平均発行件数:一社あたり月3465件)×(2024年10月頃に予定されている郵便料金の引き上げ金額:一件あたり26円)×12か月分」として、郵便料金の値上げに伴い年間で増加する郵送代を算出。
請求書の送付を効率化する方法3選
請求書の郵送を効率化するための方法は、以下の3つです。
- PDFファイルをメールで送信する
- 請求書郵送代行サービスを利用する
- 請求書発行・送付システムを導入する
それぞれの特徴を解説します。
1.PDFファイルをメールで送信する
請求書の送付を効率化するための方法のひとつは、PDFファイルをメールで送信することです。PDF形式は、書類のレイアウトやフォーマットを保持したまま送信できるため、受取人が正確に請求書を確認できるメリットがあります。
メールでの送信は、郵送に比べて迅速でコストがかからず、確認や対応もスムーズです。請求書をPDFで作成し、メールに添付して送信することで、送付作業の手間を大幅に削減できます。
2.請求書郵送代行サービスを利用する
請求書郵送代行サービスの利用も、請求書の送付を効率化するための方法として有効です。請求書郵送代行サービスを活用すれば、請求書の作成から発送までの一連の作業を外部に委託でき、業務の負担を軽減することができます。
請求書だけでなく、その他の書類も扱う代行業者があり、対応範囲を状況に応じて調整してくれるところもあります。ただし、機密情報の漏えいリスクがあるため、業者選びは慎重に行うべきです。
3.請求書発行・送付システムを導入する
請求書の送付を効率化するためには、請求書発行・送付システムの導入が非常に効果的です。請求書発行・送付システムを利用すれば、請求書の作成から送信、管理までをクラウド上で一元化でき、業務の効率を大幅に向上させることが可能です。
法制度に対応しているサービスもあり、インボイス制度や電子帳簿保存法といった法制度にも適応できます。選定にあたっては、自社のニーズに合った機能を持つシステムを慎重に選ぶことが重要です。
請求書を電子化する際の注意点
請求書を電子化する際は、以下の4つの注意点を押さえておきましょう。
- 電子帳簿保存法の保存要件を満たす
- 取引先との合意を得る
- セキュリティー対策を徹底する
- 社内の運用ルールを明確にする
それぞれのポイントについて解説します。
1.電子帳簿保存法の要件を満たす
請求書を電子化する際には、電子帳簿保存法の要件を確実に満たすことが重要です。
具体的には、電子データは法律で定められた形式で保存し、保存したデータが改ざんされないよう、適切なセキュリティー対策を講じる必要があります。さらに、保存されたデータは検索や参照が容易でなければなりません。
システム導入時には、法律に準拠した機能が備わっているかを確認し、自社の業務フローに合わせた設定を行えば、法令遵守と業務効率化を両立させられます。
2.取引先との合意を得る
請求書を電子化する場合は、事前に取引先との合意を得るようにしましょう。取引先によっては、電子化に対する準備が整っていなかったり、既存の手続きでしか受け付けていなかったりすることもあるためです。
事前に取引先とコミュニケーションを取り、電子請求書の導入に関する意向や条件を確認しておきましょう。双方の合意を得ることで、スムーズに電子化を進められ、トラブルを未然に防げます。
3.セキュリティー対策を徹底する
万全なセキュリティー体制を整えるのも、請求書を電子化する際に欠かせないポイントです。
データは暗号化して保存し、不正アクセスを防ぐためにアクセス権限を制限します。定期的なバックアップとシステムのセキュリティー更新も欠かさず行い、安全にデータを保護しましょう。
4.社内の運用ルールを明確にする
請求書の電子化を進めるには、社内の運用ルールを明確にすることが重要です。電子化にともない、電子請求書の受領から処理、保存までのプロセスを文書化し、担当者の役割を明確にする必要があります。
システムの利用方法やトラブル対応手順も整備し、定期的なルールの見直しを行うことで、業務の効率化と内部統制の強化が実現できます。
まとめ
請求書の送り方を詳しく解説しました。請求書を送付する際は、記載内容に間違いがないようしっかりと確認をし、取引先と事前に確認した期日に間に合うように送付しましょう。
一方で、請求書や送付状を印刷し郵送したり、取引先に一件ずつメールするのは手間がかかる上、2024年10月1日から実施された郵便料金値上げにより、紙の請求書から電子請求書に切り替える企業も増えてきています。
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執筆・編集
「月次決算に役立つ情報」編集部
記事監修者のご紹介
弁護士 小野 智博
弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所 代表弁護士
保有資格:弁護士
慶應義塾大学環境情報学部卒業。企業のDXサービスについての深い理解に基づき、企業法務を提供している。特に、企業の海外展開支援を得意とし、日本語・英語の契約審査サービス「契約審査ダイレクト」を提供している。また、ECビジネス・Web 通販事業の法務を強みとし、EC事業立上げ・利用規約等作成・規制対応・販売促進・越境ECなどを一貫して支援する「EC・通販法務サービス」を運営している。著書「60分でわかる!ECビジネスのための法律 超入門」
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