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請求書の代理受領とは?メリットとサービスの選び方を徹底解説

請求書の代理受領とは?メリットとサービスの選び方を徹底解説

企業の請求書受領業務では、紙の請求書の管理や紛失リスク、データ入力の手間など、さまざまな課題が存在します。これらの課題を効率的に解決する手段として、近年注目を集めているのが請求書の代理受領です。

代理受領サービスを導入することで、業務効率の向上やコスト削減が期待できます。しかし、導入に際しては適切な契約や法的ルールに基づいた運用が求められ、事前の十分な準備が不可欠です。

本記事では、請求書の代理受領についての概要や仕組み、メリットとデメリット、さらには導入時の注意点について詳しく解説します。経理業務の効率化を検討している方々に、有益な情報をお届けします。

請求書代理受領とは

請求書代理受領とは、第三者が請求書を受領し、スキャンをしたり、システムへの入力作業を代わりに実施することです。この代理受領サービスを利用することで、経理部門の業務効率化が可能となります。

請求書の代理受領サービスがサポートする主な業務としては以下があげられます。

  • 請求書を代理で受領
  • 紙の請求書をスキャンしてデータ化
  • スキャンした請求書データをクラウドストレージにアップロード
  • 請求書の記載項目のデータ入力
  • 請求書原本のファイリングや保管、廃棄

請求書代理受領を利用することで、多くのメリットが得られます。従業員の負担を減らしたり、コスト削減ができたりすることです。主なメリットとして3つ紹介します。

  1. 業務効率化
  2. コスト削減
  3. 人為的ミスの軽減

1.業務効率化

請求書代理受領では、受領した請求書を処理する時間を削減することが可能です。紙で受領した請求書をデータ化し、システムへの入力を代行してもらうため、経理業務の手間を軽減できます。

また、請求書の内容を電子データとして管理できるため、過去の請求書を閲覧する場合に検索することが可能となります。

2.コスト削減

請求書の代理受領サービスを利用することで、さまざまな面でコスト削減が可能となります。まず、請求書の受け取りや仕分け、データ入力などの作業を外部に委託することで、これらの業務に関わる人件費を削減できます。

また、請求書の保管を行ってくれるサービスを利用すれば、請求書の保管スペースが不要になるため、オフィススペースの有効活用や保管コストの削減につながります。

さらに、請求書がデジタル化されることで、請求書の検索や処理が効率化され、間接的なコスト削減にもつながります。

3.人為的ミスの軽減

経理担当者が手作業で請求書業務を行う場合、数字の読み間違いや入力ミスなど、人為的ミスが発生する余地が多くありました。

請求書代理受領サービスは、高精度な読み取り機能や専門のスタッフによる対応により、入力ミスや計算ミスを減らすことができます。

また、取引先ごとに異なるフォーマットも同じ形式に統一されるため、フォーマットの違いによる混乱も回避できます。

請求書代理受領の注意点

請求書代理受領を使えば多くのメリットが得られますが、注意しなければならない点もあります。注意点を把握し、適切な対策を講じられているか確認することが大切と言えるでしょう。主な注意点を3つ紹介します。

  1. 情報漏えいリスク
  2. コミュニケーションの複雑化
  3. 導入・運用コスト

1.情報漏えいリスク

請求書には、取引内容や取引先企業の口座情報など機密性の高い情報が含まれています。請求書の代理受領サービスを使った場合、機密情報を社外で取り扱うことになるため、情報が漏えいしてしまうリスクがあります。

導入を検討する段階で、どのようなセキュリティー対策が講じられているかを確認することが重要です。定期的な監査やアクセス制限、暗号化などの技術的対策が施されているか、サービスのセキュリティー体制が整っているかどうかを確認しましょう。

2.コミュニケーションの複雑化への適応

請求書代理受領サービスの導入は、従来の社内で完結する経理プロセスを変えることになります。この変化に伴い、コミュニケーションの方法や経路も大きく変わることを理解しておく必要があります。

従来の経理業務では、すべての処理が社内で完結していたため、直接的な対話や既存の社内システムでの情報共有が主流でした。しかし、代理受領サービスを導入すると、外部のサービス提供者との連携が不可欠となります。この新たな関係性は、初期段階では一時的にコミュニケーションの複雑さを増す可能性があります。

ただし、この変化は必ずしもデメリットではありません。適切に管理すれば、むしろコミュニケーションの効率化につながります。例えば、請求書に関する問い合わせや確認作業が一元化され、専門的な知識を持つ代理受領サービスのスタッフが対応することで、より迅速かつ正確な情報のやり取りが可能になります。

3.導入・運用コスト

請求書代理受領サービスを利用すれば、業務の効率化を図ることが可能です。しかし、今までかかっていなかった導入コストや運用コストが新たに発生します。

そのため社員の負担が減ることで削減されるコストと、導入・運用コストを考慮した上で検討することが必要です。導入に伴って結果的にコストが増えるのかどうか、コストが増える場合は費用対効果が適切かどうかの見極めが大切です。

請求書代理受領サービスを選ぶ際の4つの重要ポイント

請求書代理受領サービスの導入は、経理業務の効率化に大きく貢献しますが、適切なサービスの選択と導入プロセスが成功の鍵となります。ここでは、サービス選択時に考慮すべきポイントを4つ解説します。

  1. セキュリティー対策の徹底
  2. スキャン精度と対応可能な請求書形式
  3. 法令遵守と更新への対応
  4. 導入・運用サポート体制

1.セキュリティー対策の徹底

請求書には機密性の高い取引情報が含まれるため、セキュリティーの確保は最優先事項です。

  • データ暗号化
    転送中および保存時のデータ暗号化レベルを確認
  • アクセス制御
    多要素認証やロールベースのアクセス制御の有無
  • コンプライアンス
    ISO 27001やSOC 2などの国際セキュリティー基準への準拠
  • データバックアップ
    定期的なバックアップと災害復旧計画の有無

2.スキャン精度と対応可能な請求書形式

高精度のデータ抽出と多様な請求書形式への対応は、業務効率化の鍵となります。

  • OCR精度
    数字や文字の認識精度(99%以上が望ましい)
  • 非定型フォーマット
    手書きや非標準フォーマットの請求書への対応能力
  • 対応言語
    多言語対応の有無(特に海外取引のある企業向け)

3.法令遵守と更新への対応

電子帳簿保存法やインボイス制度など、関連法規への対応は不可欠です。

  • 法令対応
    現行の法令に完全準拠しているか
  • アップデート体制
    法改正に迅速に対応できる体制が整っているか
  • サポート
    法令解釈や対応方法に関する専門的なサポートの有無

4.導入・運用サポート体制

スムーズな導入と継続的な運用をサポートする体制が整っているかを確認します。

  • 導入支援
    初期設定や従業員トレーニングのサポート内容
  • カスタマーサポート
    問い合わせ対応の迅速性と質
  • ドキュメンテーション
    マニュアルやナレッジベースの充実度

これらのポイントを十分に検討し、自社のニーズに最も適したサービスを選択することが、請求書代理受領サービス導入の成功と効果的な運用につながります。可能であれば試用期間を設けて実際の使用感を確認することをおすすめします。

請求書代理受領サービス導入の流れ

請求書代理受領サービスを導入する際の流れについて紹介します。流れを理解しておくことで、よりスムーズに移行することが可能です。

  1. 代理受領サービスの選定と契約手続き
  2. 社内体制の整備
  3. 取引先への通知
  4. 請求書の受領設定と管理
  5. 運用と最適化
  6. 法令遵守とセキュリティーの維持

1.代理受領サービスの選定と契約手続き

請求書代理受領サービスの導入を成功させるには、まず自社の要件を詳細に定義し、それに合致するサービスを慎重に選定することが重要です。取引量や請求書の種類、既存システムとの連携要件などを整理し、複数のサービスを機能、価格、セキュリティー、サポート体制の観点から比較検討します。

可能な限り実環境での試用を行い、使用感や効果を確認した上で、利用規約やカスタマイズの可能性、将来的なスケーラビリティなどを考慮して契約を進めます。

2.社内体制の整備

新しいサービスの導入の成功には、適切な社内体制の整備が不可欠です。既存の請求書処理フローを見直し、代理受領を行うのに適した形に再構築するとともに、電子化に伴う社内規程や承認プロセスも必要であれば改定しましょう。

3.取引先への通知

新しい請求書送付方法や形式への移行について、取引先へ丁寧に通知します。

特殊な請求書形式を使用している取引先や大口取引先に対しては個別に調整や説明を行い、円滑な移行を図ります。また、旧方式と新方式の並行運用期間を設けることで、取引先や自社の業務に支障をきたすことなく、スムーズに移行できるでしょう。

4.請求書の受領設定と管理

請求書代理受領サービスを導入する際には、必要な情報をデータ化できるように請求書の形式や種類を整備する必要があります。請求書に記載されている主な内容は次の通りです。

  • 発行者
  • 請求日
  • 請求する金額
  • 税区分の金額
  • 源泉徴収税
  • 期限
  • 振込先の口座

これらの項目が適切に取り込めるように整備し、サービス導入のための準備を整える必要があります。

5.運用と最適化

本格運用への移行は段階的に行い、部門や取引先ごとに順次展開していきます。運用開始後は、処理速度や精度、関係各所からのフィードバックなどを継続的にモニタリングし、サービスを評価します。

定期的な運用状況の見直しを行い、必要に応じてプロセスやシステムの最適化を図ります。また、サービス提供者から提供される新機能や改善点を積極的に検討・導入することで、システムの有効性を維持・向上させ、長期的な業務効率の改善とコスト削減ができるでしょう。

6.法令遵守とセキュリティーの維持

請求書代理受領サービスの運用において、法令遵守とセキュリティーの維持はとても重要です。インボイス制度や電子帳簿保存法などを遵守し、紛失や不正アクセスがないよう適切なデータ管理を行うことが重要です。

まとめ

今回は、請求書の代理受領のメリットやサービス導入について解説しました。

請求書の代理受領サービスを導入することで、業務の効率化やコストの削減を図ることが可能です。また、人為的なミスの防止にもつながります。請求書業務の負担を軽減し、経理業務の効率化が実現できます。

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「月次決算に役立つ情報」編集部

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「月次決算に役立つ情報」編集部

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