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小口現金はいくらまでが適切?設定のポイントと管理業務を効率化する方法
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小口現金として管理する現金の上限額はいくらまでにするかは、経理担当者の業務負担に大きく関係します。小口現金が少なすぎると補充の手間が増え、多すぎると盗難リスクが高まります。
本記事では、小口現金の上限額を決定する際のポイントを解説します。あわせて、小口現金の管理業務そのものを効率化するための具体的な方法もご紹介します。
小口現金管理をなくす新しい経費精算
小口現金はいくらまで設定できるのか

結論から言うと、小口現金をいくらまで置けるかという残高に法的な規制はありません。そのため、企業の規模や事業内容に応じて、それぞれの企業で上限額を自由に設定できます。
上限金額を決める際は、いくつかのポイントを考慮してバランスをとることが大切です。上限が低すぎると、現金がすぐに足りなくなり、補充する回数が増えて経理担当者の負担が大きくなります。一方で、上限が高すぎると、盗難リスクが高まってしまいます。
自社の状況に合った適切な金額を設定することが、効率的で安全な小口現金管理につながります。
いくらまで小口現金を置くか決めるポイント

小口現金をいくらまで設定するかは、企業の状況をしっかり把握した上で決定することが重要です。
- 過去の使用実績を参考にする
- 急な出費の対応を考慮する
1. 過去の使用実績を参考にする
小口現金の上限額を決める際は、過去の使用実績を必ず確認します。過去数カ月の入出金記録を集計し、月平均の使用金額を把握しておくと良いでしょう。例えば1カ月当たり平均10万円程度使われているなら、残高を15万円に設定しておくと、出費が重なった時も余裕をもって対応できるでしょう。
2. 急な出費の対応を考慮する
普段はあまり大きな出費がない場合でも、急な出費に対応できる金額を確保しておくことが大切です。
たとえば、取引先の慶弔費や急な出張の仮払いなど、臨時支出は不定期に発生します。こうした予期せぬ出費に備えて、一定の余裕をもって上限額を設定しておくと、補充の手間を減らし落ち着いて対応できます。
月末に経費精算が集中する企業では、一時的に現金が不足する可能性があります。こうした状況を見越して、あらかじめ余裕をもたせておくことが賢明です。経理担当者が急な現金補充に追われることなく、計画的に業務を進められます。
小口現金の管理方法と課題

小口現金の管理方法と、管理時によくある課題について解説します。
小口現金の管理方法
小口現金の管理方法は主に2つあります。
定額資金前渡制度
定額資金前渡制度は、あらかじめ一定額を小口現金として準備し、使用分を定期的に補充する方法です。
たとえば、月初に10万円を補充し、月末に使用額を集計して翌月に補充します。資金管理が容易で、補充作業を計画的に行える点がメリットです。補充する金額やタイミングが決まっているため、経理担当者の負担が比較的軽くなります。
一方で、補充のタイミングが決まっているため、急な出費には柔軟に対応しにくいというデメリットもあります。また補充日直前になると現金が不足しやすいため、計画的な使用が求められます。
随時補給制度
随時補給制度は、小口現金の残高が少なくなったタイミングで、必要な金額をその都度補充する方法です。
補充時期が固定されていないため、急な出費にも柔軟に対応できます。例えば、高額な備品を急遽購入する必要が出た場合でも、必要な金額だけ補充すれば済むため臨機応変に対応でき、高額支出にも即応可能です。
一方で、補充のタイミングや金額がその都度変わるため、管理が煩雑になる可能性があります。一方で、特定の担当者しか残高がいくら残っているかの把握ができず、業務が属人化するリスクもあるため、管理体制を明確に整備することが重要です。
小口現金管理の課題
小口現金管理には主に2つの課題があります。
経理担当者の負担が大きい
小口現金の管理では、現金出納の記録や残高確認など、日々の手間が多く発生します。
従業員が経費を立て替えた際は、領収書の内容を確認したり、支払い内容が企業の規定に沿っているか確認する必要があります。また、経費精算のルールが曖昧だったり、従業員からの経費申請が不定期だったりすると、経理担当者の業務がより複雑になります。このような細々とした業務が積み重なることで、経理担当者にかかる負担は大きくなります。
盗難や不正リスクがある
小口現金を社内に置くことは、盗難や紛失のリスクを伴います。また、経費精算のルールが曖昧だったり、管理体制が不十分だったりすると、不正使用が発生する可能性も高まります。
少額の経費を架空計上したり、個人の支出に企業の現金を流用したりする不正は、管理体制が不十分な場合に発生しやすくなります。また渡した金額を間違えていたなど、経費の記録と実際の現金の流れが一致しない場合、原因を特定するのが難しくなることもあります。
小口現金の管理を楽にする6つの方法

小口現金の管理は手間がかかりますが、工夫次第で効率化できます。ここでは、日々の業務を軽減する6つの方法を紹介します。
- Excelを使用する
- マネーカウンターを導入する
- 従業員の立替精算は決められた日に行う
- 備品はオンラインでまとめて購入する
- 法人カードを導入する
- 定期的に上限額を見直す
1. Excelを使用する
小口現金出納帳をExcelで作成することは、業務効率にもおすすめです。
インターネット上には無料で使えるテンプレートも多くあり、簡単に導入できます。Excelに計算式を設定しておくと、手作業の計算が不要になり、ミスを防げます。
小口現金がいくら残っているかの確認もスムーズになるでしょう。
またドロップダウンリストを活用すれば、勘定科目の入力間違いや表記ゆれも減らせるため、よりスムーズな管理が可能です。例えば、勘定科目の列に「事務用品費」「交通費」「消耗品費」などをあらかじめ設定しておくと、入力のたびに手打ちする手間が省けます。
2. マネーカウンターを導入する
小口現金では、現金残高を数える作業が発生します。紙幣や硬貨を手作業で数えると時間がかかり、数え間違いも起きやすくなります。そこで役立つのが、マネーカウンターです。マネーカウンターとは、紙幣を自動で計算する機械で、「紙幣計数機」とも呼ばれます。
マネーカウンターを導入すれば、現金カウントの時間を大幅に短縮でき、正確な残高を素早く確認できます。特に現金の補充や精算が多い企業では、マネーカウンターがあるだけで業務のスピードと正確性が格段に上がります。さらに経理担当者が残高確認のために費やす時間を大幅に削減でき、他の重要な業務に集中できるようになります。
3. 従業員の立替精算は決められた日に行う
立替精算の回数が多いと、経理担当者は都度、内容確認や現金準備に追われます。精算日をあらかじめ決めておくことで、業務を効率的に進められます。
例えば「毎月25日に精算を受け付ける」とルールを設けることで、精算業務を特定の日に集中させ、まとめて処理ができます。これにより、経理担当者は他の業務に集中する時間が増え、業務効率が向上します。また従業員もいつ精算すれば良いかが明確になり、精算漏れを防ぐ効果も期待できます。
4. 備品はオンラインでまとめて購入する
来客用のお菓子や文房具など、定期的に購入する備品は、まとめてオンラインで購入するようにすると便利です。
オンラインで購入すれば、申請書や領収書の処理、買い出しの手間が省略できます。また購入履歴がデータとして残るため、小口現金を使わずに済むケースが増え、管理業務をさらに減らせます。さらにオンラインでの一括購入は、価格比較がしやすくコスト削減にもつながります。
5. 法人カードを導入する
小口現金の管理負担を根本から減らすには、法人カードの導入が有効です。法人カードで支払いをすれば、従業員が現金を立て替える必要がなくなるため、立替精算業務が大幅に減ります。合わせて小口現金の廃止も期待できます。
また誰が、いつ、何を、いくらで購入したかという履歴がデータで残り、経理処理が楽になるほか、内部統制が強化され、不正防止にもつながります。そして多くの法人カードにはポイント還元や付帯サービスなどがあり、企業の経費削減に貢献できるというメリットもあります。
6. 定期的に上限額を見直す
小口現金の適正金額は、企業の状況や事業内容の変化によって変動します。一度決めた上限額を据え置かず、年1回など定期的に使用実績を見直し、負担の少ない金額へ調整します。
売上が伸びて経費が増えたり、新しい部署ができて小口現金の利用頻度が上がったりした場合は、上限金額を増やす必要があります。小口現金の利用が減った場合は、上限金額を下げてリスクを減らすことも検討できます。見直しをすることで、常に業務効率が良く、不正のリスクが低い状態を保てます。
また、企業の成長段階に合わせて柔軟に対応することが重要です。設立当初は小口現金の利用が少なかったとしても、従業員が増えるにつれて利用頻度が増加することも考えられます。定期的な見直しは、企業の状況変化に応じた管理を行ううえで欠かせません。
小口現金の不正を防ぐポイント

小口現金は、盗難や不正利用のリスクを伴います。管理を厳格に行うことで、不正を未然に防ぎ、企業の資産を守ることが大切です。
複数人で管理をする
小口現金の管理を一人に任せると、不正が発生しやすくなります。
これを防ぐには、複数人でチェックする体制を整備することが重要です。たとえば、一人が出納を記録し、もう一人が残高を確認するなど、明確な役割分担を設けます。これにより、業務の属人化を防ぎ、相互の監視体制が生まれ、不正の抑止につながります。
また、定期的に現金の残高確認を抜き打ちで行うなど、ルールを設けることで、より厳格な管理体制を築けます。
事前に使途を確認する
小口現金を使用する際には、事前に何に使うのかを確認するフローを整えましょう。
一定額以上の出費には、部署長などの承認を必須とするルールを設け、第三者のチェックを加えます。これにより、無駄な出費を防ぐことができるだけでなく、何にどれだけの金額が使われているかを企業全体で把握できます。
また、経費精算の規定に沿った使い方を徹底させることで、不正利用の防止にもつながります。私的な飲食代や個人的な物品購入に小口現金が使われないよう、明確なルールを定めて周知することが大切です。
証憑と記録を保管する
小口現金の出入金記録は、必ず領収書やレシートなどの証憑と一緒に保管します。記録と証憑をしっかり残しておくことで、使途不明金が出た際の原因追及が容易になり、不正の抑止にもつながります。
またこれらの証憑は、決算処理や税務調査の際に必要となります。会社法では、帳簿や証憑を7年間保管することが義務付けられています。証憑を紛失しないよう、専用の保管場所を設け、管理ルールを徹底しましょう。紙の書類が多い場合は、電子化を検討すると保管スペースや検索の手間を削減できます。
まとめ
小口現金は、少額の経費をすぐに支払えるため、急な出費にも柔軟に対応できる便利な手段です。小口現金をいくらまで置けるかといった上限金額に法的な規制はないので、過去の使用実績や急な出費に備えて、自社に合った金額を設定することが大切です。
面倒な小口現金管理の効率化においては、Excelの活用やマネーカウンターの導入だけでなく、法人カードの活用で小口現金を使う機会をなくすことも有効となります。
小口現金の管理に負担を感じる場合は、法人カードと連携できる経費精算システムの導入を検討するとよいでしょう。システムを活用することで、経理業務を根本から効率化し、より安全な管理体制を構築できます。
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記事監修者のご紹介
弁護士 小野 智博
弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所 代表弁護士
保有資格:弁護士
慶應義塾大学環境情報学部卒業。企業のDXサービスについての深い理解に基づき、企業法務を提供している。特に、グローバル事業の支援を得意とし、「国際ビジネス法務サービス」を提供している。また、ECビジネス・Web 通販事業の法務を強みとし、EC事業立上げ・利用規約等作成・規制対応・販売促進・越境ECなどを一貫して支援する「EC・通販法務サービス」を運営している。著書「60分でわかる!ECビジネスのための法律 超入門」
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執筆・編集
「月次決算に役立つ情報」編集部






