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コーポレートカードとは?メリットや導入のポイント、他のカードとの違いを解説

コーポレートカードとは?メリットや導入のポイント、他のカードとの違いを解説

コーポレートカードは、主に大企業向けに発行される法人カードの一種で、企業の経費管理や支払い業務の効率化に活用されています。従業員の経費立替を減らし、経理業務の簡素化が期待できるツールとして注目を集めています。

本記事では、コーポレートカードの基本的な特徴から、導入のメリット・デメリット、選択時のポイントまで詳しく解説します。

法人用クレジットカードで経費精算を効率化

目次

  1. コーポレートカードとは
  2. コーポレートカードの種類
  3. コーポレートカードの導入で得られる6つのメリット
  4. コーポレートカードの3つのデメリットと対策
  5. コーポレートカード導入前に押さえるべき3つの注意点
  6. コーポレートカードの選び方
  7. コーポレートカード導入の流れ
  8. 経費精算システムとの連携でさらなる効率化を実現
  9. コーポレートカードに関するよくある質問
  10. まとめ

コーポレートカードとは

コーポレートカードとは、法人カードの一種で、主に大企業を対象としたクレジットカードです。

法人カードは、その名の通り、個人ではなく法人(企業)に対して発行されるクレジットカードの総称で、引き落とし口座が法人名義となり、主に商品の仕入代金の支払いや、日常業務で使用される経費の支払いに使用されます。

また、法人カードは、コーポレートカードとビジネスカードに大別されます。次の章では2つの違いについて解説します。

コーポレートカードとビジネスカードの違い

コーポレートカード

高額な利用限度額や充実した管理機能など、主に大規模な組織向けのサービスを提供

ビジネスカード

導入のしやすさや運用の柔軟性など、中小規模の組織でも利用しやすいサービスを提供

法人カードには、コーポレートカードのほかにビジネスカードがあります。両者の区分について、法律上の明確な基準は定められていません。カード会社各社が独自の基準で設定しています。

一般的に、コーポレートカードは大規模な組織向けの機能を重視し、ビジネスカードは中小規模の組織でも導入しやすい設計となっていることが多いようです。ただし、これは一般的な傾向であり、企業規模による厳密な区分があるわけではありません。

コーポレートカードは通常、より高額な利用限度額や、充実した管理機能、大規模な組織向けのサービスを提供しています。一方、ビジネスカードは、導入のしやすさや運用の柔軟性を重視した設計となっているケースが多く見られます。

コーポレートカードと個人向けクレジットカードの違い

コーポレートカード

  • 引き落とし口座は法人名義(会社決済型の場合)
  • 利用限度額は高めの傾向
  • ビジネス向けの付帯サービス

個人向けクレジットカード

  • 引き落とし口座は個人名義
  • 利用限度額は低めの傾向
  • 個人向けの付帯サービス

個人向けのクレジットカードとコーポレートカードとの大きな違いは、支払いに法人名義の口座が使用されることです(会社決済型の場合)。企業が契約主体となるため、個人カードよりも高い信用力が認められます。

そのため、個人カードよりも利用限度額が高く設定され、ビジネス向けの付帯サービスが充実するなどの特典があることも特徴です。

コーポレートカードの種類

コーポレートカードには、支払い方法により大きく2つのタイプがあります。会社決済型と個人決済型それぞれの特徴を理解し、自社の経費管理方針や従業員のニーズに合わせて選択することが大切です。

会社決済型

  • 引き落とし口座は法人名義
  • 企業全体で一元管理できる
  • 主に事業経費の支払いに使用される

個人決済型

  • 引き落とし口座は個人名義
  • 個別に精算が必要になる場合がある
  • カード利用者による個人利用が可能

会社決済型

会社決済型のコーポレートカードは、利用代金が企業名義の法人口座から直接引き落とされる仕組みです。すべての経費支払いを企業が一括して管理できるため、経理処理の効率化が図れます。

このタイプの最大の利点は、経費の一元管理が可能な点です。カード利用明細が企業側に集約されるため、部門別・プロジェクト別の経費把握が容易になり、予算管理の精度向上につながります。

一方で、用途は原則として事業経費に限定されます。出張費、接待費、備品購入費など、業務に直接関連する支出に使用され、私的利用は認められません。このため、利用規程を明確に定め、適切な管理体制を構築することが重要です。

個人決済型

個人決済型のコーポレートカードは、カード利用者である役員や従業員の個人名義口座から利用代金が引き落とされる仕組みです。企業側は後日、経費として認められる分を個人に精算します。

このタイプのメリットは、運用の柔軟性が高い点です。カード利用者は業務利用と個人利用を分けて使用でき、福利厚生の一環として活用することも可能です。例えば、年会費を企業が負担し、個人利用分のポイントは従業員が受け取るといった運用も考えられます。

ただし、経理処理の面では注意が必要です。利用明細から業務利用分を抽出し、個別に精算処理を行う必要があるため、会社決済型と比較して管理工数が増える傾向があります。導入時には、精算ルールの明確化と効率的な処理フローの構築が求められます。

コーポレートカードの導入で得られる6つのメリット

ここでは、コーポレートカードの導入により、企業が得られるメリットを6つ紹介します。これらのメリットは、経費管理の改善から経営の透明性向上まで、さまざまな効果をもたらすでしょう。

  1. 経費精算業務の効率化
  2. 立替経費の負担を軽減
  3. 経費関連コストの適正化
  4. 経費利用の透明化によるガバナンス強化
  5. 支払いサイクルを利用したキャッシュフローの改善
  6. ポイントやマイルの活用によるコスト削減

1. 経費精算業務の効率化

コーポレートカードの導入は、経費精算業務を大幅に効率化します。従来の現金による経費精算では、従業員が個別に領収書を集め、経費申請書を作成し、経理部門がそれらを一つひとつ確認して処理する必要がありました。この方法は時間がかかり、ミスも発生しやすい問題がありました。

コーポレートカードを導入すると、すべての経費支出がカード明細に自動的に記録されます。経理部門はこの明細を一括で確認できるため、個別の領収書チェックや手作業での入力が大幅に削減されます。

また、支払いがカード会社への一括精算となることで複数の振込作業も不要になり、振込手数料の削減にもつながります。

さらに従業員にとっても、経費の立て替えや煩雑な精算書類の作成が不要になるため、本来の業務により集中できるようになります。結果として、企業全体の生産性向上にも寄与します。このように、コーポレートカードは経費精算プロセス全体を効率化する強力なツールとなります。

2. 立替経費の負担を軽減

コーポレートカードの導入により、経費の支払いに現金を使用する機会が大幅に減少します。日常的な経費処理がキャッシュレス化され、必要最小限の現金取り扱いだけで済むようになります。

また、コーポレートカードを使用することで、従業員の負担も大きく軽減されます。従業員は個人の現金や私用のクレジットカードを使用する必要がなくなり、手持ち資金が不足する心配もなくなります。経費の申請や精算の手続きも簡素化されるため、本来の業務により集中できるようになるでしょう。

個別の精算や仮払いを行う必要がなくなるため、立替経費精算に関わる経理部門の負担を大きく削減できます。

実際に立替精算業務が経理部門の負担になっていることを示すデータを確認します。

立替精算による経理担当者の負担

調査データを基に立替経費精算の実情を説明します。

  • 立替精算は一社当たり月1500件以上発生しており、経理担当者は月100時間を要している
  • 経理担当者が立替精算に対して感じている課題上位3つは「インボイス制度で求められる要件を満たすかどうかの確認に手間がかかる」「月末月初など特定の時期に業務が集中してしまう」「不備発生時の確認や差し戻しに手間がかかる」
立替精算に関する課題点を示した図

Sansan株式会社の調査によると、立替精算業務が経理部門の大きな負担であることが、浮き彫りになっています。

経費精算業務に携わる1044名のビジネスパーソンにヒアリングを行った結果、立替精算は一社当たり月1500件以上発生しており、経理担当者は月100時間を要していることが判明しました。

また、経理担当者が立替精算に対し、以下の3点を課題として捉えていることも分かりました。

  • インボイス制度で求められる要件を満たすかどうかの確認に手間がかかる
  • 月末月初など特定の時期に業務が集中してしまう
  • 不備発生時の確認や差し戻しに手間がかかる

これらの課題をクリアすることが、経理部門の負担軽減に不可欠な要素となるでしょう。

参照:Sansan株式会社|「Sansan「経費精算に関する実態調査」を実施 ~インボイス制度で負担増、一社あたり月1500件の立替が発生。約3割が経費の不正利用を見聞きしたことがあると回答~

従業員が感じる立替精算への課題

調査データを基に立替精算の実情を説明します。

  • 非経理担当者が立替精算に感じている課題TOP3は「立替分が入金されるまでにタイムラグがある」「申請のための処理が煩雑」「インボイス制度で確認の手間が増えた」
従業員が感じる立替精算への課題を示した図

一方、同調査では、立替精算を行う側の従業員にもヒアリングを行っています。

実際に立替精算をおこなっている従業員は、主に以下の3点を課題に感じているようです。

  • 立替分が入金されるまでにタイムラグがある
  • 申請のための処理が煩雑
  • インボイス制度で確認の手間が増えた

立替金が入金されるまで手持ちの現金が心細くなるといった負担や、申請手続きを煩わしく感じていることが分かります。さらに、インボイス制度により確認の手間が増えたことにも不満を感じているようです。

このように、立替精算は経理部門・非経理部門双方にとっての負担であり、早急に改善すべき経営課題といえるでしょう。

参照:Sansan株式会社|「Sansan「経費精算に関する実態調査」を実施 ~インボイス制度で負担増、一社あたり月1500件の立替が発生。約3割が経費の不正利用を見聞きしたことがあると回答~

3. 経費関連コストの適正化

コーポレートカードの導入は、コスト面にもよい影響をもたらします。まず、カード会社に支払いが一本化されるため、従業員に個別に振込をする必要がなくなり、振込手数料の大幅な削減が可能です。

人件費の面でも大きな削減が見込めます。経理部門においては、月末などに集中していた立替精算業務が大幅に省力化されるため、精算対応の人件費を抑えることができます。

また、経費を使用する従業員も精算の手間がなくなれば、空いた時間を活用して重要な業務に集中できるようになるため、企業全体の生産性向上にもつながるでしょう。

4. 経費利用の透明化によるガバナンス強化

コーポレートカードの導入により、企業の経費管理は一元化され、透明性が大幅に向上します。すべての経費取引がカード明細に記録されるため、経理部門は各従業員の経費使用状況を瞬時に把握できます。

これにより、不適切な経費使用や潜在的な不正を早期に発見し、対処することが可能となるため、企業のガバナンス向上にもつながります。

5. 支払いサイクルを利用したキャッシュフローの改善

コーポレートカード導入により支払いの管理が容易になる点は前述しましたが、キャッシュフローの面でもメリットをもたらします。

カード会社によっても違いがありますが、コーポレートカードは、月末で締めて翌月末に支払うサイクルが一般的です。支払いサイクルが一定になり、支払い日が来るまで資金を確保できることにより資金繰りを安定させることができます。

また、リアルタイムで経費の使用状況を把握できることは、企業の財務管理にも貢献します。翌月の支払い予定額を正確に予測できるため、より精度の高いキャッシュフロー管理が可能になり、経営判断や財務戦略の立案にも寄与するでしょう。

6. ポイントやマイルの活用によるコスト削減

多くのコーポレートカードでは、利用金額に応じてポイントやマイルが付与されます。これらを適切に活用することで、実質的な経費削減につなげることができます。

貯まったポイントは、オフィス用品の購入、出張時の航空券やホテル代への充当、ギフト券への交換など、さまざまな用途に利用可能です。年間の経費支出が多い企業では、相当額のポイントが蓄積されるため、計画的な活用により大きなコスト削減効果が期待できます。

ポイント活用においては、社内ルールの整備が重要です。ポイントの帰属先(企業か個人か)、使用用途の範囲、承認プロセスなどを明文化しておくことで、トラブルや不正利用を防ぐことができます。また、ポイントの有効期限を管理し、失効前に確実に活用する体制づくりも大切です。

法人カードで小口現金をキャッシュレス化

コーポレートカードの3つのデメリットと対策

コーポレートカードには多くのメリットがある一方で、導入前に認識しておくべきデメリットも存在します。以下の3つの課題を理解し、適切な対策を講じることで、より効果的な運用が可能になります。

  1. コストが発生する可能性がある
  2. 従業員による私的利用のリスクがある
  3. キャッシュフロー管理への注意が必要

1. コストの発生

コーポレートカードの導入には、年会費や発行手数料などのコストが発生する場合があります。特に大企業向けのカードでは、充実したサービスと引き換えに高額な年会費が設定されていることが少なくありません。

中には年会費無料のカードも存在しますが、利用限度額が低い、付帯サービスが限定的といった制約があることが一般的です。一方、有料カードでは、高い利用限度額、充実した保険、優待サービス、専用サポートデスクなど、ビジネスに役立つ特典が提供されます。

コーポレートカードの導入を検討する際は、年会費と得られるメリットを比較検討することが大切です。経費精算業務の効率化による人件費削減額、振込手数料の削減額、ポイント還元による実質的な割引額などを試算し、投資対効果を慎重に判断しましょう。

2. 従業員による私的利用のリスク

コーポレートカードを従業員に貸与することで、不適切な私的利用が生じるリスクがあります。意図的な不正利用だけでなく、ルールの理解不足による誤った使用も含めて、適切な管理が求められます。

対策として、まず利用ルールを明確に定めることが重要です。使用可能な経費の範囲、利用限度額、承認が必要な金額基準などを社内規程として整備し、全利用者に周知徹底します。また、定期的な利用明細のモニタリングを実施し、不適切な利用がないか確認する体制を整えましょう。

さらに、私的利用が発覚した場合の対応も事前に定めておくことが大切です。警告、カード利用停止、懲戒処分などの段階的な罰則規程を設け、抑止力として機能させます。定期的な研修や啓発活動を通じて、適正利用の重要性を継続的に伝えることも効果的です。

3. キャッシュフロー上の注意

コーポレートカードの利用により、実際の支出から支払いまでにタイムラグが生じます。このため、一時的に支出の実態が見えにくくなり、予算管理やキャッシュフロー管理に影響を与える可能性があります。

特に月末締め翌月末払いの場合、60日程度の支払い猶予が生じることが一般的です。この間に利用額が積み上がると、想定以上の支払いが発生し、資金繰りに影響を及ぼすことも考えられます。部門別の予算管理においても、実際の支出と会計上の計上時期にズレが生じる点に注意が必要です。

対策としては、リアルタイムで利用状況を把握できる仕組みの構築が重要です。カード会社が提供する管理システムや、経費精算システムとの連携により、日々の利用状況を可視化します。また、部門別・プロジェクト別の利用限度額を設定し、予算超過を防ぐ仕組みも有効です。

コーポレートカード導入前に押さえるべき3つの注意点

コーポレートカード導入を検討する場合、事前に確認すべき主な注意点を3つ紹介します。

  1. 社内規程の整備と従業員教育
  2. セキュリティー対策と不正利用防止の仕組み作り
  3. 既存の経理システムと連携を確認

1. 社内規程の整備と従業員教育

コーポレートカード導入の際には利用ルールを整備し、対象の従業員に向けた教育を行うことが望ましいです。

ルールの策定では、経費として認められる範囲の明確化や、利用対象者の範囲、役職や業務内容による限度額の設定などを細かく決めていきます。定めたルールは必ず社内規程として整備しましょう。

規程を定めたら、必ず対象の従業員への周知をおこないます。その際、文書による通達だけではなく、説明会を行い、ルールや注意事項を伝達するとよいでしょう。

2. セキュリティー対策と不正利用防止の仕組み作り

コーポレートカード導入前に、セキュリティー対策と不正利用防止の仕組みを整備することが不可欠です。第三者による不正利用は、企業の資金流出を引き起こすだけでなく、カード会社との契約上の問題や、不正利用額の補償に関する法的責任が生じる可能性があります。

また、大規模な不正利用は企業の信用低下にもつながりかねません。そのため、カード紛失時の迅速な報告体制と即時停止手順、不正利用の早期検知システムの導入を確立しましょう。

同時に、従業員による不適切な使用も防止する必要があります。私的利用や認められない経費の計上を防ぐため、承認フローと定期的な利用状況のモニタリングを行いましょう。これらの対策により、コーポレートカードの安全で適切な運用が可能になります。

3. 既存の経理システムと連携を確認

コーポレートカードの明細データが、既存のシステムと連携できるかどうかも重要な確認ポイントです。カードの明細データを経理システムに取り込むことができるかを事前に検証しましょう。

明細データを加工せずに直接取り込めることが望ましいですが、そうでない場合は必要な変換作業についても検討が必要です。

また、連携によって自動仕訳や経費分類が可能になるかも確認しておくと良いでしょう。システム間の適切な連携は、データ入力ミスの削減や業務効率の向上につながります。

コーポレートカードの選び方

コーポレートカードを選ぶ際には、以下5つのポイントを確認しましょう。

  1. 年会費と付帯サービス
  2. 利用限度額の設定
  3. 追加カードの発行条件
  4. 支払いサイクルとキャッシュフローへの影響
  5. カード紛失・盗難時のサポート体制

1. 年会費と付帯サービス

コーポレートカードの選択では、年会費と付帯サービスのバランスが重要です。高額な年会費のカードは多くの場合、高い利用限度額や充実した付帯サービスを提供しています。利用目的と必要なサービスを明確にし、費用対効果を考慮してカードを選択しましょう

2. 利用限度額の設定

適切な利用限度額の設定は、円滑な業務遂行に不可欠です。年会費とのバランスを考慮しつつ、想定される利用額に十分対応できる限度額を確保することが重要です。また、カード利用者ごとに異なる限度額を設定できるかも確認しておきましょう。

3. 追加カードの発行条件

追加カードの発行条件、特に発行可能枚数は重要な選択基準です。導入時の必要枚数だけでなく、将来的な業務拡大による増加も考慮に入れましょう。

多くのコーポレートカードでは、追加カード1枚ごとに発行手数料が発生します。カード会社によって金額は異なりますが、数百円から数千円の手数料がかかることが一般的です。

ただし、追加カードの上限枚数が多いほど年会費が高くなる傾向があるため、必要な発行枚数とコストのバランスを見極めることが大切です。

4. 支払いサイクルとキャッシュフローへの影響

支払いサイクルの長さは、企業のキャッシュフロー管理に大きく影響します。

一般的に、利用日から支払い日までの期間が長いほど、資金の柔軟な運用が可能になります。キャッシュフローの改善を目指すなら、より長い支払いサイクルを提供するカードを選択することが有効です。

5. カード紛失・盗難時のサポート体制

コーポレートカード導入に伴うリスクとして、カードの紛失や盗難が挙げられます。カード会社の補償制度や24時間対応のサポートデスクの有無を確認し、迅速な対応が可能な体制を整えておくことが重要です。また、社内での報告体制や対応手順も事前に明確化しておきましょう。

経費精算の自動化で業務工数削減

コーポレートカード導入の流れ

コーポレートカードの導入を成功させるには、計画的な準備と段階的な進行が重要です。以下の4つのステップに沿って進めることで、スムーズな導入と効果的な運用開始が可能になります。

  1. 導入目的と利用範囲の確認
  2. カード会社の選定・比較
  3. 申込書類の提出〜審査
  4. 社内ルールの策定・周知

STEP1.導入目的と利用範囲の確認

コーポレートカード導入の第一歩は、明確な目的設定です。経費精算業務の効率化、ガバナンス強化、キャッシュフロー改善など、自社が解決したい課題を具体的に整理します。

次に、利用対象者の範囲を決定します。全従業員への配布、管理職以上への限定配布、特定部署のみへの配布など、企業規模や業務特性に応じて最適な範囲を設定します。

また、カードの使用用途(出張費、接待費、備品購入など)も明確にし、導入後の運用イメージを固めておくことが大切です。

STEP2.カード会社の選定・比較

導入目的と利用範囲が明確になったら、複数のカード会社のサービスを比較検討します。年会費、利用限度額、追加カードの発行可能枚数、付帯サービスの内容など、自社のニーズに合致するかを詳細に確認しましょう。

比較の際は、コスト面だけでなく、管理システムの使いやすさ、既存の経理システムとの連携性、サポート体制の充実度なども重要な判断基準となります。

STEP3.申込書類の提出〜審査

カード会社を選定したら、申込手続きに進みます。一般的に必要となる書類は、登記簿謄本、決算書(直近2〜3期分)、企業案内、代表者の本人確認書類などです。必要書類はカード会社によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

書類を提出するとカード会社による審査が行われ、通常1〜3週間程度で結果が通知されます。審査通過後、カードの発行手続きに進みます。実際のカード到着までは、さらに1〜2週間程度かかることが一般的です。

STEP4.社内ルールの策定・周知

カードが発行されたら、利用開始前に社内ルールを整備します。利用規程には、使用可能な経費の範囲、承認フロー、精算方法、禁止事項、違反時の対応などを明記します。特にインボイス制度への対応方法についても、明確にしておくことが重要です。

規程策定後は、利用者への周知徹底を行います。説明会の開催、マニュアルの配布、Q&A集の作成など、複数の方法を組み合わせて理解を促進しましょう。また、導入初期は問い合わせ窓口を設置し、疑問や不明点に迅速に対応できる体制を整えることも効果的です。

経費精算システムとの連携でさらなる効率化を実現

コーポレートカードと経費精算システムを連携させることで、経費管理の効率化をさらに進められるでしょう。主なポイントを以下で解説します。

システム連携のメリット

コーポレートカードと経費精算システムの連携は、経費管理プロセスを大幅に効率化します。カード明細データが自動的に会計システムに取り込まれることで、手作業による入力が不要になり、人為的ミスも削減されます。

さらに、ワークフローとの連携により承認プロセスが簡略化され、モバイルデバイスを通じた迅速な承認が可能になります。これにより、経費処理の正確性と速度が向上し、企業全体の業務効率が大幅に改善されます。

システム導入時の注意点

コーポレートカード導入時の重要な注意点は、既存の会計システムと連携できるかという点です。カード明細データがシームレスに取り込めるか、事前に十分な検証が必要です。

また、カード導入を機に経費使用ルールを見直し、不必要な支出を防ぐ仕組みを構築することが重要です。カード利用による利便性向上が、無駄な経費使用につながらないよう、明確な社内規程の策定と従業員への周知徹底が不可欠です。

システム選びのポイント

経費精算システムを選定する際には、精算業務に携わる経理スタッフ、経費を使用する従業員の意見も参考にしましょう。必要な機能が網羅されているか、使いやすさ、既存システムとの親和性などを、現場の視点で慎重に評価します。

また、導入後のサポート体制も重要な選定基準です。24時間365日対応可能なサポートデスクの有無や、専任担当者の配置など、長期的な運用を見据えたサポート体制の充実度を確認しましょう。

これらの点を総合的に判断し、自社に最適なシステムを選択することが、導入の成功につながります。

コーポレートカードに関するよくある質問

コーポレートカード導入を検討する企業から寄せられる代表的な質問をまとめました。導入前の疑問や不安を解消し、自社に適したカード選びの参考にしてください。

設立間もない企業や個人事業主でも発行できるか?

設立年数や事業形態により、申込可能なカードの種類は異なります。

ビジネスカードであれば、設立1年未満の企業や個人事業主でも申込可能なものが多く存在します。一方、コーポレートカードは一般的に3年以上の事業実績や、安定した売り上げ・利益が求められる傾向があります。

ただし、カード会社により審査基準は異なるため、設立間もない企業でも、事業計画の妥当性や代表者の信用情報により審査を通過できる場合もあります。

従業員が退職した際の手続きは?

従業員の退職時には、速やかにカードを回収し、適切な手続きを行うことが重要です。まず退職者から確実にカードを回収し、物理的な破棄または返却を行います。同時に、カード会社への連絡を忘れずに行い、当該カードの利用停止・解約手続きを進めます。

手続きの遅れは不正利用のリスクを高めるため、退職手続きのチェックリストにカード回収を組み込むことが重要です。また、退職前の利用分について未精算がないか確認し、必要に応じて最終給与での調整を行います。

これらの手続きを確実に実施することで、セキュリティー上のリスクを最小限に抑えることができます。

ETCカードや新幹線予約サービスは利用できるか?

多くのコーポレートカードでは、追加カードとしてETCカードの発行が可能です。ETCカードの利用明細も本体カードと一括管理できるため、交通費精算の手間を大幅に削減できます。

また、出張が多い企業向けに、新幹線のオンライン予約サービス(エクスプレス予約など)や航空券予約サービスと連携したカードも提供されています。これらのサービスを活用することで、出張手配の効率化と、早期予約による割引メリットを享受できるでしょう。

まとめ

現金による経費の立て替えは、経費を使用する従業員、精算業務に従事する経理スタッフ双方にとって大きな負担となっていました。コーポレートカードの導入は、両者の課題を解決し、立替精算にともなう負担を軽減する有効な解決策となるでしょう。

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「月次決算に役立つ情報」編集部

執筆・編集

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