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法人口座を複数に分けるメリットとは?2つ以上の口座を使い分けるポイントも解説
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法人口座を複数持つことは、振込手数料の削減や資金管理がしやすくなるなどのメリットがあります。
一方で2つ以上の法人口座を持つ目的を明確にしないと管理が煩雑になる可能性もあるため、注意が必要です。
本記事では、法人口座を複数持つことのメリットとデメリット、目的別・用途別に使い分けるコツ、そして効率的な口座管理を実現する方法について解説します。
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法人口座は複数開設できる?

企業が事業を拡大するにつれて、用途による使い分けや、振込手数料の削減などを目的に、法人口座を複数開設するケースも珍しくありません。法人口座を複数開設することは可能なのか、銀行ごとの取り扱いの違いを含めて確認していきます。
異なる銀行での法人口座開設は可能
すでに法人口座を保有している企業であっても、別の銀行で新たに法人口座を開設することは可能です。
銀行ごとの所定の審査を通過すれば、複数の金融機関に法人口座を持つこと自体に法的な制約はありません。実際に多くの企業が、振込手数料の削減、用途に応じた資金管理、リスク分散などを目的に、複数の金融機関と取引を行っています。
同一銀行での複数口座開設
同一の銀行内で複数の法人口座を開設できるかどうかは、銀行の種類によって対応が異なります。
店舗型銀行での複数口座開設
メガバンクや都市銀行などの店舗型銀行では、同一銀行内での複数の法人口座開設が認められないケースが一般的です。その背景には、不正利用やマネーロンダリングの防止という金融機関側の管理上の理由があります。
ただし、事業拠点ごとの管理や特定の用途など、合理的な理由が認められる場合には例外的に開設できるケースもあります。開設条件は銀行によって異なり、基本的には店舗窓口での個別相談が必要です。
ネット銀行での複数口座開設
ネット銀行の多くは、企業の業務効率化やコスト削減を支援する観点から、同一名義での複数口座開設や管理に対応しています。銀行によっては、1つのマスター口座に対して複数のサブ口座を作成するという形で、最大で20口座まで開設可能なケースもあります。
ただし、開設できる口座数や必要な手続き、手数料の取り扱いは銀行ごとに異なります。導入を検討する際は、各銀行の公式サイトなどで確認が必要です。
複数の法人口座を持つメリット

法人口座を複数保有することには、資金管理の効率化やコスト面での効果など、いくつかの具体的なメリットがあります。ここでは、代表的な4つのメリットを順に解説します。
資金の流れを可視化しやすくなる
1つの口座ですべての入出金を管理していると、売上入金、経費の支払い、納税資金などが混在し、キャッシュフローの全体像を把握しにくくなりがちです。
これに対し、入金用・支払い用・納税用といった用途別に口座を分ければ、それぞれの資金の動きを個別に確認でき、どの活動からどれだけの資金が動いているかを把握しやすくなります。
この結果、記帳や照合の際の作業ミスの削減、さらには投資判断や支出の見直しといった意思決定のスピード向上にもつながります。
手数料コストの削減につながる
企業間取引では、異なる銀行間での資金移動に他行宛の振込手数料が発生するのが一般的です。
取引先や仕入先の指定口座が特定の銀行に集中している場合、その銀行に支払い用口座を開設して同行間振込とすれば、1件当たりの振込手数料を削減できます。また、振込件数の多い支払い業務には、比較的手数料の低いネット銀行を活用する方法も有効です。
入金用には社会的信用度の高い都市銀行、支払い用には手数料の低いネット銀行といったかたちで用途別に使い分けることで、それぞれの銀行の強みを活かしたコスト削減を図れます。
融資の選択肢が広がる
金融機関との取引実績は、融資審査における参考材料の一つとされます。このため、複数の銀行と継続的な取引実績を積むことで、将来的な融資審査において有利に働く可能性があります。
また、1つの銀行だけに依存していると、その銀行の方針変更や審査の厳格化が資金調達に直接影響する可能性がありますが、複数の銀行と関係を築いていれば、融資条件を比較してより有利なものを選ぶことが可能です。
このように、取引行を分散させておくことは、融資面でのリスク管理につながるとともに、銀行との関係構築の選択肢を増やす効果も期待できます。
破綻時のリスクを分散できる
日本の預金保険制度では、金融機関が破綻した場合に保護される預金の範囲が定められています。一般的な預金については、1金融機関につき預金者1人当たり元本1,000万円までとその利息が保護の対象です。
一方、無利息・要求払い・決済サービス提供という3つの要件を満たす決済用預金については、全額が保護されます。
複数の銀行に資金を分散して預けておくことで、制度上の保護範囲を有効に活用しやすくなり、破綻時のリスクを軽減できる可能性があります。
参照:金融庁|「預金保険制度」
複数の法人口座を持つデメリット

複数の法人口座にはメリットがある一方で、運用面でのデメリットにも目を向ける必要があります。
口座管理の手間が増える
法人口座を複数保有すると、通帳やキャッシュカード、インターネットバンキングのIDやパスワードの管理負担が増加します。
加えて、口座間の資金移動が発生するケースでは、残高調整や振替作業が定期的な業務として加わり、担当者の工数を圧迫します。
複数口座を運用する際は、明確な目的と管理ルールを設けた上で、必要な口座数にとどめることが大切です。
維持コストが増加する可能性がある
コスト削減を目的に口座を分けたとしても、維持費の積み上がりによって、結果としてコスト削減効果が相殺されてしまうケースがあります。
たとえば、店舗型銀行の一部では、口座ごとに月額の維持手数料や口座管理料が発生するケースがあります。また、複数の銀行でインターネットバンキングの契約を結ぶ場合、それぞれに月額利用料がかかり、利用料が重複して発生することになります。
複数口座の開設を検討する際は、想定される振込件数や資金移動の頻度から期待される削減効果と、各口座・各サービスの維持コストを事前に比較することが大切です。
2つ以上の法人口座を使い分ける例

複数の法人口座を運用する際は、目的を明確にした使い分けによって管理の煩雑さを抑えられます。ここでは、実務でよく用いられる使い分けの例を紹介します。
入金用・支払い用・納税用の3口座に分ける
キャッシュフローの可視化とコスト削減を同時に実現しやすい使い分けが、入金用・支払い用・納税用に口座を3つに分けるパターンです。
口座 | 目的・特徴 |
|---|---|
入金用口座 |
|
支払い用口座 |
|
納税用口座 |
|
事業別・店舗別に口座を分ける
事業別・店舗別の口座分けは、複数の事業を展開している場合や、複数の店舗・拠点を運営している場合に有効な手法です。
事業や店舗ごとに口座を割り当てることで、それぞれの拠点ごとの業績や資金状況を個別に、かつリアルタイムに把握できるようになります。
同一のネット銀行で複数口座を開設すれば、1つの管理画面から全口座の残高や取引履歴を横断的に確認でき、一元管理が容易になります。また、口座名義を「企業名+店舗名」のように設定できる銀行もあり、取引先との識別もしやすくなります。
銀行の種類と特徴を組み合わせる
都市銀行・地方銀行・ネット銀行・信用金庫は、それぞれに強みと特徴があります。
銀行の種類 | 強み・特徴 |
|---|---|
都市銀行 |
|
ネット銀行 |
|
地方銀行 信用金庫 |
|
用途別に銀行の種類を組み合わせることで、入金は都市銀行、支払いはネット銀行、納税や融資相談は地方銀行・信用金庫といったように、それぞれの弱点を補完し合う効率的な運用体制を構築できます。
複数口座の運用で生じる経費管理の課題を解消する方法

口座を分けることで資金の流れは整理されますが、それだけで経費管理のすべてが解決するわけではありません。ここでは、複数口座の運用にともなう課題と解決のアプローチを紹介します。
自社に合った経費管理システムを活用する
口座を分けると、個々の口座内の資金は整理されますが、企業全体の経費を把握するには、それぞれの口座から情報を抽出して集計する必要があります。多くの場合、この全体集計は依然として手作業に頼らざるを得ないため、ミスが発生しがちです。
加えて、支払い用口座からの振込に加え、コーポレートカードでの決済や従業員による立替経費などが混在すると、支出経路が多岐にわたり、経費を一元的に把握することはさらに困難となります。
経費管理システムによる一元化
口座の使い分けはあくまで、資金の置き場所(入れ物)の整理に過ぎません。経費そのものの管理、承認フローの整備、そして仕訳業務を抜本的に効率化するには、システムによるアプローチが必要です。
自社の規模や運用形態に合った経費管理システムを導入し、複数の口座やカードと連携させることで、複数口座運用のメリットを最大化しつつ、管理の負担を最小限に抑えることが可能になります。
まとめ
法人口座を複数に分けることは、キャッシュフローの可視化、手数料コストの削減、リスク分散といった面で有効です。用途に合わせて都市銀行、ネット銀行、地方銀行などを戦略的に使い分けることが、健全な財務管理の第一歩となります。
一方で、法人口座が増えると管理の手間も増えるため、複数口座の使い分けによる利便性やコストと管理工数を比較しながら、自社にとって最適な運用を見つけましょう。
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執筆・編集
「月次決算に役立つ情報」編集部





