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請求書業務を効率化する方法 | 受領側・発行側の課題とシステム導入の注意点を解説
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請求書業務の効率化には、経理業務ならではのさまざまな課題が存在します。特に、請求書の受領業務と発行業務にはそれぞれ独自の問題があり、これらを解消するためにはペーパーレス化や自動化による効率化が不可欠です。
本記事では、請求書業務の効率化に向けて、具体的な業務内容と課題を整理し、それらを解決するための実践的な方法やステップを解説します。
受領も発行も対応!請求書業務を効率化
請求書業務を効率化する方法【受領側】

まずは、受領側の請求書業務を効率化するには、以下のような方法があります。
- 請求書のデジタル化
- 承認プロセスの簡素化・効率化
- 支払い業務の自動化
それぞれ具体的に解説します。
請求書のデジタル化
紙の請求書をデジタル化することが、請求書業務効率化の第一歩です。できるだけ紙の請求書をなくす取り組みから始めると良いでしょう。
送ってもらう請求書をデータ(電子)にしてもらう
取引先に請求書をPDFや電子請求書のフォーマットで送付してもらうことで、業務の効率化が可能になります。取引先に電子請求書の送付を依頼する際は、標準的なフォーマットを指定し、受領後の処理をスムーズにできる環境を整えることが重要です。
電子データとして受領することで、データ入力の手間が削減でき、検索・管理の効率化が進みます。また、請求書の紛失リスクを減らせるメリットがあります。
請求書の電子化は、発行側の企業にとってもメリットがあります。Sansan株式会社の調査によると、請求書の電子化が進められない理由として、「取引先からの要望がある」と答えた企業が36.2%と2番目に多くなっています(Sansan株式会社)。
参照:Sansan株式会社「Sansan、「請求書発行の電子化に関する実態調査」を実施~約6割が紙で請求書を発行する割合が高いと答えた一方、半数以上は電子化したいという結果に~」
多くの企業が電子化の利便性を理解しながらも、取引先の「紙でほしい」というニーズに配慮して、電子化を控えているのが実態です。
そのため、受領側から電子化を依頼すれば、発行側は安心してシステムを切り替えることができ、結果として業務効率化の後押しにもつながります。
紙の請求書をスキャンなどでデジタル化する
紙の請求書を受け取った際は、スキャナーやスマートフォンのスキャンアプリを使い、デジタルデータとして保存することが効率化の第一歩です。PDF形式に変換すれば、検索や管理が容易になります。特に電子帳簿保存法に対応するためにも、請求書をデータで保存しておく体制を整えることが重要です。
スキャンしたデータは、「請求日」「取引先名」「金額」などを含むファイル名にしておけば、必要な書類を素早く見つけられます。また、フォルダを「年月」や「取引先」ごとに分類すれば、さらに整理しやすくなるでしょう。クラウドストレージや経理システムと連携すれば、チーム内での共有やバックアップがしやすく、帳簿の仕訳とのひも付けもスムーズに行えます。
こうした工夫を取り入れることで、紙の管理負担が軽減され、請求書処理の効率が飛躍的に向上します。
請求書のデジタル化については、こちらの記事もご参照ください。
承認プロセスの簡素化・効率化
承認プロセスを簡素化・効率化することで、請求書処理のスピード向上と業務負担の軽減が可能になります。従来の紙の回覧による承認フローは時間がかかるため、デジタル化やルールの見直しが有効です。
例えば、一次チェックの担当者が問題ない請求書を即座に承認できる仕組みにすることで、処理の迅速化が図れます。また、一定金額以下の請求書は上長の承認を不要にするルールを設けることで、無駄な手間を削減できるでしょう。
さらに、ワークフローシステムを活用し、オンラインで回覧・承認できる環境を整えることで、紙の持ち回りを不要にし、リアルタイムで進捗を確認できるようになります。こうした改善を行うことで承認の滞りを防ぎ、テレワークにも対応できる業務フローの実現が可能です。
支払い業務の自動化
支払い業務の効率化には、銀行振込の自動化ツールや会計システムの活用が有効です。これらを連携させることで、手作業による振込業務を減らし、処理のスピードを向上できます。具体的には、会計システムで作成した仕訳データを基に、振込データを自動で作成し、それをネットバンキングで承認・送金するという流れが一般的です。振込先の情報や支払い期日が自動で反映されるため、人為的ミスを防ぐだけでなく、支払い遅延のリスクも軽減できます。
加えて、家賃やサブスクリプション費用など、定期的な支払いが発生する場合は、スケジュール設定をしておくことで、手入力の手間を大幅に削減可能です。
このように支払い業務を自動化すれば、業務負担が軽くなるだけでなく、期日通りの確実な支払いが実現でき、企業の信頼性向上にもつながります。
請求書業務を効率化する方法【発行側】

次に、請求書の発行側の業務を効率化する方法を考えてみましょう。
- 請求書テンプレートの活用
- ミスを防ぐチェックリストの活用
- ペーパーレス化の推進
- 請求管理システムの導入
それぞれ以下で解説します。
請求業務については、こちらの記事もご参照ください。
請求書テンプレートの活用
請求書作成の手間を減らすには、毎回ゼロから作るのではなく、事前にテンプレートを用意しておくと効果的です。統一されたフォーマットを使用すれば、必要な項目をすぐに入力できるため、作業時間の短縮につながります。また請求書作成業務の標準化が進み、担当者による品質のばらつきを防げるのもメリットです。
また、あらかじめ計算式を設定しておくことで、金額の入力ミスや記載漏れを防ぐことができるでしょう。
ミスを防ぐチェックリストの活用
請求書発行時のミスを防いで差し戻しの手間を減らし、請求業務の効率を向上させるには、チェックリストを活用するのがおすすめです。必要な項目をリスト化し、発行前に必ず確認する仕組みを整えましょう。
社内で標準化されたリストを使用すれば、担当者ごとの差異も少なくなります。また、デジタルツールと組み合わせて自動チェック機能を導入すれば、精度を向上させることも可能です。
ペーパーレス化の推進
請求業務を効率化するためには、紙の請求書を減らし電子請求書を活用することが非常に効果的です。電子化することで、印刷や郵送にかかる手間やコストを削減でき、作業負担の軽減につながります。あわせて、紙の請求書を保管するための物理的なスペースも不要になります。
また、デジタルデータで保存すれば、請求書の管理が容易になり、過去のデータを素早く検索することも可能です。さらに、メールやオンラインストレージを活用すれば、取引先とのやりとりもスムーズになり、請求処理のスピードアップが期待できます。社内の承認フローも効率的になります。
請求管理システムの導入
発行業務を一元管理できる請求管理システムを導入することで、効率化が大幅に進みます。
Sansan株式会社が実施した調査によると、経理担当者の75.2%が紙の請求書の発行に課題を感じており、特に「郵送料などのコスト」「発送準備の手間」「配送遅延による到着遅れ」が主要な問題として挙げられています。こうした課題を解決するために、多くの企業が請求管理システムを導入し、業務の効率化を進めようとしています。


参照:PR Times「Sansan『請求書の発行に関する実態調査』を実施」
また、請求管理システムの導入によって、請求業務の標準化や透明性の向上につながり、業務全体の精度とスピードを向上させることが可能です。
入金確認や消込作業の自動化機能によって手作業による確認の負担が軽減され、ミスの防止にもつながります。さらに、請求データをリアルタイムで管理できるため、支払い状況の把握や未払いの請求書の追跡がスムーズに行えます。
クラウド型の請求管理システムであれば、インターネットを通じてどこからでも請求書の処理が可能であるため、テレワークにも対応しやすくなります。
経理のDXで業務を効率化
請求書業務の効率化のためのステップ

請求書業務を効率化するにはシステムを導入すればいいというわけではありません。段階的にステップを踏む必要があります。ここでは、請求書業務を効率化する進め方を、プロセスごとに解説します。

現状の業務フローの可視化
請求書業務を効率化するためには、まず現状の業務フローの可視化が重要です。発行業務と受領業務の各プロセスを細かく洗い出し、どの段階で時間がかかっているのか、どの部分にミスが発生しやすいのかを把握しましょう。さらに、担当者ごとの役割を明確にし、業務の流れを見えるようにすれば、どこに改善の余地があるのかが明確になります。
こうした分析を行うことで、無駄な手順の削減やシステム導入の判断がしやすくなり、請求書業務全体の最適化につながるのです。
課題の特定と優先順位付け
次の段階では、非効率になっている作業や、業務が停滞するボトルネックを洗い出し、どの課題を優先的に解決すべきかを整理・判断します。
例えば、「請求書の承認に時間がかかる」「データ入力ミスが頻発する」といった具体的な問題点を特定し、業務全体への影響度や改善後の効果を評価して取り組む順序を決定すると効果的です。
改善が容易な課題から着手することで、早期に成果を実感でき、効率化への意識が社内に浸透していきます。
システム導入の検討
業務の課題と優先順位を明確にした後は、それらを解決できるシステムの導入を検討します。自社の業務フローや改善すべきポイントを踏まえ、適切な請求書管理システムを比較・選定することが重要です。
例えば、請求書の発行・受領を一元管理できるもの、入金確認や消込作業を自動化できるものなど、機能面の確認が求められます。また、導入コストや既存システムとの連携のしやすさも重要な判断基準になります。
業務に適したシステムを選ぶことで、請求書業務の効率化が進み、全体の生産性向上にもつながるでしょう。
システムのトライアルと初期設定
多くの請求書管理システムは、導入前にトライアル期間を設けています。この期間を利用して、操作性や画面の見やすさを確認することが重要です。
トライアルを通じて、自社の業務に合っているか、現場の担当者が使いこなせるかなどを検証し、問題がなければ導入を決定します。ベンダーと契約後は初期設定を行います。具体的にはシステム利用者のアカウント設定や、現在使っている会計システムや銀行口座との連携設定、仕訳の基本設定などを実施します。
社内教育と理解促進
請求書管理システムを導入した後は、その効果を十分に発揮できるよう、社内教育や業務フローの変更に対する理解を深めることが不可欠です。
新しいシステムが導入されても、現場の社員が正しく使いこなせなければ、業務の効率化は進みません。そのため、システムの基本操作や活用方法について研修を行い、実際の業務にスムーズに適用できるようサポートすることが重要です。また、業務フローの変化に対する抵抗を減らすために、新システムの導入目的やメリットを社内に共有し、理解を深めることも欠かせません。利用しやすいマニュアルを作成して配布することも、理解促進に有効です。
定期的な業務フローの見直し
新しいシステムを導入し業務の効率化が進んだ後も、定期的な見直しは欠かせません。業務フローは、社内の変化や取引先の対応状況によって最適な形が変わるため、一定期間ごとに課題を洗い出し、改善の余地がないか検討することが重要です。
例えば、請求処理のスピードやミスの発生率をチェックし、改善点があれば修正を加えることで、より効果的な運用が可能になります。また、社員からのフィードバックを取り入れることで、実際の業務に即した調整が行えます。
こうした継続的な改善を積み重ねることで、請求業務の精度と効率がさらに向上し、組織全体の業務最適化につながるでしょう。
請求書業務の効率化で注意すべきポイント

請求書業務の効率化を進める際は、単にスピードを追求するだけでなく、さまざまな要素を考慮する必要があります。ここでは、業務を円滑に進めながらリスクを最小限に抑えるために、注意すべきポイントを確認します。
システム導入におけるコストと効果のバランス
請求書業務を効率化する際には、導入するシステムのコストと得られる効果のバランスを慎重に見極めることが重要です。
高機能なシステムを導入すれば業務効率は向上しますがその分費用がかかり、運用のコスト負担が増える可能性もあります。まずは、自社の業務規模や課題に合った機能を持つシステムを選び、無理なく運用できる範囲で導入を進めることが大切です。
また、短期間での費用対効果だけでなく、長期的な運用コストや業務改善のメリットも考慮すると、より適切な選択ができます。初期投資だけでなく、メンテナンス費用やサポート体制も確認し、業務効率化とコスト削減の両立を目指しましょう。
既存システムとの互換性
システム導入を進める前に、既存の会計ソフトや基幹システムとの互換性も慎重に確認する必要があります。新しい請求書管理システムが、現在運用しているシステムとスムーズに連携できなければ、追加の作業が発生してしまうため、かえって業務の負担が増えてしまう可能性があります。
例えば、請求データを会計ソフトに自動で取り込めるか、入金確認がリアルタイムで反映されるかなど、具体的な連携機能を事前にチェックしておくことが重要です。
互換性が確保されていれば、データの二重入力や手作業による調整の手間を減らせるため、業務の効率化が一層進みます。
法令順守の体制
システムを導入し運用する際には、法令順守の視点も欠かせません。特に、インボイス制度や電子帳簿保存法の要件を満たすよう適切に対応しましょう。
例えば、適格請求書の発行や電子データの保存要件をクリアしていないと、税務処理で不備が生じる可能性があります。また、改ざん防止機能の有無や、法的に認められた形式でのデータ保存が可能かどうかも重要なチェックポイントです。法改正が行われた際には、それに対応できる運用体制を整えておきましょう。
セキュリティー対策
請求業務をシステム化する際には、セキュリティー対策も非常に重要な要素となります。請求書には取引先の機密情報や企業の財務データが含まれるため、不正アクセスや情報漏えいを防ぐ仕組みを整える必要があります。
具体的には、アクセス権限を適切に設定し、関係者以外がデータに触れられないように制限する必要があります。また、暗号化通信や二段階認証の導入によって、不正なアクセスからシステムを保護することも効果的です。その上で、定期的なセキュリティーチェックや従業員向けの情報管理教育を実施すれば、リスクを最小限に抑えられるでしょう。
請求書業務のデジタル化で工数を削減
請求書管理システムで効率化できる業務

請求書管理システムにより、いくつかの業務を効率化することができます。
データ入力
請求書管理システムを導入すると、請求書のデータ入力の効率化が図れます。
請求書管理システムの中には紙やPDF形式で届いた請求書の内容を、AI-OCR(光学文字認識)機能を使って自動でデータ化できるものもあります。システムが文字を読み取り、必要な項目を自動で判別するので、経理担当者が手作業でデータを入力する手間を削減できます。
また、多くのシステムには仕訳の自動学習機能が搭載されています。これは、事前設定や過去の処理内容を基に、システムが自動で仕訳を作成する機能です。この機能により、仕訳の入力ミスや確認作業が減るため、決算業務の効率化にもつながります。
申請・承認
多くの請求書管理システムには、申請や承認といったワークフローをスムーズにする機能もあります。
ワークフロー機能を利用すると、請求書の確認や承認をオンライン上で行うことが可能となり、紙の書類を回覧したり、承認者のデスクを回って承認をもらったりする必要がなくなります。承認が遅れている場合に、自動通知を送る機能があるシステムもあります。
また、インターネット環境があれば作業できるため、出張やテレワークにも対応でき柔軟な働き方を実現できます。
請求書の発行
請求書管理システムは、請求書発行業務においても、多くの自動化機能を提供しています。
請求書のひな形をあらかじめシステムに登録しておくことで、毎回手動で作成する必要がなくなります。取引先や金額を入力するだけで、自動で消費税や合計金額を計算し、正確な請求書を作成することが可能です。
作成した請求書は、メールやシステムを通じて自動で取引先に送信することも可能です。これにより、郵送の手間や費用を削減することが期待できます。
さらにシステムをインターネットバンキングと連携することで、入金データと請求データを自動で照合し、入金確認もできます。未入金となっている取引先に対しては、自動で督促を送る機能もあり、売掛金の回収漏れを防ぐのに役立ちます。
請求書の受領
請求書管理システムは、受け取った請求書の管理体制を強化する役割もあります。特に重要なのが電子帳簿保存法への対応です。多くのシステムは法的な要件を満たすよう設計されているため、システム上で法に則った形式で保存することが可能です。紙の請求書もスキャンしてデータ化すれば、一元管理もできます。
また、この管理体制は債務管理にも活用できます。請求書データを基に支払い期日を管理し、支払い漏れを防ぐためのアラートを設定できるため、経理部門は支払い状況を正確に把握し、取引先との信頼関係の維持にもつながります。
まとめ
本記事では、請求書業務について受領側・発行側それぞれを効率化する実践的な方法を解説しました。
請求書業務ではいまだに多くの企業が課題を抱えており、これらを解消するためには請求書管理システムを導入し、ペーパーレス化や自動化による効率化が不可欠です。
請求書管理システムは、請求書発行や受領だけでなく、仕訳計上や債権債務の管理にも役立つ機能を持つため、経理担当者の業務負担を軽減することが期待できます。
ただし、請求書管理システムを導入しただけでは課題を十分に解決することはできません。導入に当たっては、ステップを踏んで段階的に進めていく必要があります。また、運用体制の構築や定期的な見直しも必要なため、必要に応じて関係部署と連携して導入を進めましょう。
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執筆・編集
「月次決算に役立つ情報」編集部








