- 法人カード
法人カードのルール策定ガイド|運用・管理体制や不正防止、盛り込むべき項目
公開日:

法人カードのルールは、企業の経費を適切に管理する上で重要な役割を果たします。もしルールがなければ、従業員が企業の経費を個人的な支払いに使ってしまったり、使い過ぎて企業の資金繰りが苦しくなったりする恐れがあります。
本記事では法人カードのルール策定の意義から、具体的にルールに盛り込むべき項目、そしてルール策定時の注意点までを解説します。堅実で効率的な法人カードのルールを検討する際の参考になれば幸いです。
法人カードで経費精算を効率化
法人カードにルールを設ける3つの意義

法人カードを導入する際にルールを定めることには、次の3つの意義があります。
- 不正利用を防ぐ
- 経費管理を効率化する
- 資金繰りを維持する
不正利用を防ぐ
法人カードのルール作りは、不正利用を防ぐために必要です。具体的には、従業員による私的な利用や、業務範囲を超えた不適切な支出を防ぐことを目的とします。
またルールがないと、カードの盗難や紛失が発生した場合に迅速な対応ができず、被害が拡大する恐れがあります。利用者の範囲や利用用途、管理方法を明確にすることで、社内の規律を維持し、企業の財産をリスクから守ることにつながります。
経費管理を効率化する
法人カードのルールに基づいてカード利用を徹底すると、経費管理を効率化できます。具体的には、従業員が一時的に現金を立て替える頻度が減ることで、それに伴う経費精算の手間も軽減されます。また法人カードの利用明細は、データとして経理システムに取り込むことができるため、集計や仕訳の作業時間も短縮されます。
経費管理を効率化することで、経理担当者はデータ分析や予算管理などの付加価値業務により多くの時間を割けるようになり、部門全体の生産性向上が期待できます。
資金繰りを維持する
適切な法人カードのルールを定めることは、企業の資金繰りを維持する上でも重要です。法人カードの利用用途や限度額を明確にすることで、無駄な支出を抑え、資金繰りを維持する効果が期待できます。
法人カードは後払いであるため、統制が不十分な場合、想定外の支出によって、資金ショートにつながるリスクがあります。そのため、法人カードの利用対象を事前に定めた予算内の経費に限定し、利用限度額を設定することで、支出全体に統制をかけることが重要です。
法人カードのルールに盛り込むべき項目

法人カードのルールを策定する際には、確実に運用するため、具体的な項目を網羅的に盛り込みます。ここでは、特に重要な6つの項目について、その必要性と定めるべき内容を解説します。
カード利用者
カード利用者の範囲を定めることは、不正利用防止の観点から重要です。一般的にカード利用者は、部長やプロジェクトの責任者など、経費の使用目的や妥当性を判断できる立場にある人に限定します。一般社員が利用する場合は、上長承認のもとで利用できる運用体制を整備します。
加えて、法人カードの貸し借りは一切しないことをルールとして明記します。貸し借りを行うと、誰が法人カードを使用したかの追跡が難しくなり、不正利用の際に責任の所在が曖昧になるおそれがあります。利用者を限定し、利用責任を明確にすることで、法人カードの適切な利用と厳格な管理を徹底します。
利用用途
法人カードの利用用途は、無用な支出を防ぐため、可能な限り具体的に定めます。例えば「事務用品の購入」や「通信サービスの月額利用料」、「取引先との会食費」などです。
合わせて禁止する用途も具体的に記載します。例えば「個人的な飲食費」や「贈答品(慶弔費を除く)」、「福利厚生の範囲外の自己啓発費用」などです。これにより、全社員が共通の認識で法人カードを使用でき、経費の妥当性についての判断も明確になります。
利用限度額
法人カードの利用限度額は、経費の使い過ぎを防ぐ効果が期待できます。カードごとや、利用する部署・役職に応じて、月間の利用限度額や1回当たりの決済上限額を設定します。この際、役職や想定される利用頻度・金額に応じて限度額にメリハリをつけることがポイントです。
これにより、企業の資金計画に基づいた適切な支出管理が可能になり、資金繰り悪化のリスクを抑えられます。合わせて必要に応じて一時的な増額に関する申請ルールも定めておくと、急な出費にも対応しやすくなります。
利用手順
法人カードの利用手順は、社内の統制を保ち、経費の透明性を確保するために重要です。具体的には、事前申請と使用後の報告の二段階をルールとして定めます。
法人カードを使用する前に、事前に上長や経理部門への申請を義務付けます。この申請では、利用目的や利用予定額、決済先などの詳細を記載させ、承認を得ます。
カード使用後は、速やかに利用内容を報告し、証憑(領収書や利用明細など)を提出する仕組みを作ります。経理部門は事前申請との照合や適正な経費であるかを確認したのち、会計帳簿に反映します。
管理方法
法人カードの管理について、カードの物理的な紛失や無断使用を防ぐため、施錠できる安全な場所に保管することが一般的です。この場合、カードを利用する際は、保管場所から役職者が出し入れします。
また、カード番号や暗証番号、使用期限などの情報をメモに残さないといったカード情報の管理に関するルールも明記します。
緊急時の対応法
万が一の事態に備えて、緊急時の対応法をあらかじめルール化することは、損害の拡大を防ぐために重要です。特に紛失・盗難が発生した際や、不正利用が発覚した際の対応フローを具体的に定めます。
まずカードの紛失などに気づいた場合は、発見者が直ちに上長に報告すると共に、カードの発行元へ連絡し、利用停止の手続きを行います。その後、経理部門に報告したのち、警察署へ届けを出します。
他にも再発行の手続きを進める流れや、一時的に他の決済手段を使う場合のルールも定めておくと、業務への影響を最小限に抑えられます。これらの手順を可視化し、すぐに参照できるようにしておくと、緊急時に冷静に対応しやすくなります。
法人用クレジットカードで経費精算を効率化
法人カードのルール策定のステップ

ここでは、法人カードのルール策定における具体的なステップを解説します。
- 既存の社内規程との整合性を確認する
- 罰則規程を設ける
- 社員へ周知する
1. 既存の社内規程との整合性を確認する
まずは法人カードのルールが、職務権限規程や出張旅費規程など、既存の規程と矛盾していないかを確認します。例えば、法人カードの利用限度額の設定が、職務権限規程で定められた役職者の予算承認権限と一致しているか、領収書の取り扱いが経費精算規程と矛盾していないか、などです。
既存の規程に法人カードの利用に関するルールを追加していく形で、社内規程全体としての統一性を保ちながら策定を進めることが重要です。策定は経理部門だけでなく、総務部門や人事部門とも連携を取りながら進めましょう。
2. 罰則規程を設ける
ルールの実効性を高めるためには、罰則規程を設けることが効果的です。万が一、不正利用やルール違反があった場合の罰則を明確に記しておくことで、社員の遵守意識の強化が期待できます。
罰則の例としては、私的利用が判明した場合の利用代金の全額弁償や、故意による重大なルール違反に対する懲戒処分の可能性などが挙げられます。
これらの罰則は、就業規則など、既存の社内規程に基づいた法的に有効な範囲内で慎重に設定する必要があります。ただし、罰則の適用に当たっては、事実関係を厳正に調査し、公平性や透明性を確保することが求められます。
3. 社員へ周知する
ルールを策定した後は、その内容を社員へ周知することが大切です。実際の使用方法や禁止事項、緊急時の連絡先など、社員が日々の業務で迷わないよう、具体的な手順を伝えましょう。
周知方法は、全社員向けの社内研修や説明会を実施し、質疑応答の時間も設けることが有効です。また、法人カードの利用マニュアルを作成し、社内のイントラネットなどで公開することも有効です。
法人カードのルール策定時の注意点

法人カードのルールを策定する際には、不正防止と業務効率の両立を目指す必要があります。ここでは、運用がスムーズになるように、特に意識したい3つの注意点について解説します。
法人カードで小口現金をキャッシュレス化
制限を増やし過ぎない
法人カードの不正利用のリスクを極端に避けるあまり、制限を増やし過ぎないように注意が必要です。制限があまりにも厳しくなると、使用時の手順が過剰になり、結果的に業務が滞る可能性があるためです。それでは、経費精算の効率化という法人カード導入のメリットを十分に発揮できなくなる可能性があります。
業務実態に即した最小限のルールに絞り込み、社員の裁量や業務の柔軟性を損なわないことが求められます。
使用状況の確認体制を整える
法人カードのルールがしっかりと守られているか、使用状況の確認体制を整えることが重要です。ルール策定だけで終わらせず、その運用状況を常にチェックできる仕組みを構築します。
具体的には、法人カードの利用明細と、社員からの事前申請や利用報告の内容を照合します。可能であれば、経費精算システムと法人カードの利用明細を連携させ、自動的に不正利用の可能性やルール違反を検知できる仕組みを導入すると、効率的にチェックできます。
定期的なチェックと運用改善
策定した法人カードのルールは、事業環境や業務フローの変化に応じて、定期的に見直すことが望ましいでしょう。
運用を見直す際には、経理部門だけでなく、実際にカードを利用している部署へのヒアリングも行いましょう。実態に合わせて、ルールを柔軟に見直すことで、法人カードの運用を常に実効性の高い状態に保てます。
まとめ
法人カードを導入する際は、不正利用の防止や経理業務の効率化、資金繰りの維持といった目的を達成するため、利用開始前にルールを策定する必要があります。
ルールには、カード利用者や利用限度額、そして使用方法と管理方法を詳細に明記することが求められます。合わせて既存の社内規程との整合性を確認し、罰則規程も含めて実効性の高い内容にすることが大切です。また、運用開始後もカードの利用状況を確認し、定期的に運用を見直すことで、法人カードの適切な運用を維持できます。
クラウド経費精算サービス「Bill One経費」は、専用のビジネスカードで立替払いをなくし、これまでにない経費精算を実現します。
全社員の経費の支払いをBill Oneビジネスカードで行うことで、経費精算に必要な対応をオンラインで完結し、企業から立替経費をなくすことができます。
Bill One経費・Bill Oneビジネスカードの特長
- 全社員へのBill Oneビジネスカード配布によって立替経費をなくせる
- 99.9%*の精度で領収書をデータ化し、自動で利用明細と突合
- 電子帳簿保存法やインボイス制度への対応
- 1カ月あたりの利用限度額が最大1億円
- カードごとの利用限度額設定が可能
- 年会費・発行手数料無料
*Sansan株式会社が規定する条件を満たした場合のデータ化精度
Bill One経費は専用のビジネスカードによって経費精算にかかる工数を削減し、月次決算の加速に役立ちます。ぜひ導入をご検討ください。

執筆・編集
「月次決算に役立つ情報」編集部







