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発注書と請求書の違いは?記載項目や金額が違う場合の対応、照合作業を効率化する方法を解説
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企業間取引において、「発注書」と「請求書」は取引を成立させるうえで欠かせない書類です。それぞれの目的と役割は明確に異なります。
本記事では、発注書と請求書の本質的な違いと記載項目を解説します。さらに発注書と請求書の金額が違う場合の対処法や効率的に照合する方法についても詳述します。
請求書の照合作業を効率化
発注書と請求書の違い

発注書と請求書は、どちらも企業間の取引で使われる重要な書類です。しかし、それぞれ役割や発行する人が異なります。
1.役割
発注書は、商品やサービスの取引を正式に依頼する際に発行される文書です。取引の意思を明確に示し、内容を双方で共有するために使用します。取引内容の認識にずれがないことを確認できるため、後から「言った」「言わない」といったトラブルを防ぐことができます。また、発注書は取引の開始を意味する重要な証拠となります。
一方、請求書は商品やサービスの提供完了後に、代金の支払いを求めるために発行します。請求書には取引内容や金額、支払い期限などが明記されているため、支払い請求の根拠として機能し、債権の未回収リスクを低減できます。
2.発行者と発行タイミング
発注書は、商品やサービスの取引を依頼する側、つまり発注者が発行します。一般的には、受注者からの見積書を確認し、取引内容に納得した後に作成します。発注書を発行することで、発注者は契約内容を最終的に確定し、受注者に対して正式な依頼を行います。この時点で取引が開始されます。
請求書は、商品やサービスを提供した側、つまり受注者が発行するものです。発注者が商品やサービスを受け取った後、請求書を基に支払いを完了させるのが一般的な流れとなります。請求書の発行タイミングは、取引内容により異なります。たとえば、納品完了時や月末の締め日、契約で定めた期日などが一般的です。発注者は、受け取った請求書の内容を確認し、支払い期日までに支払い手続きを進めます。
発注書と請求書の記載項目

発注書と請求書には、それぞれ取引を証明するために欠かせない項目があります。
発注書の記載項目
発注書の主な記載項目は以下の通りです。正確に記載することで、トラブルを防ぎ、スムーズな取引を実現できます。
発注書の交付先
発注書を受け取る受注者の情報(企業名・部署名・担当者名)を正確に記載し、取引先を明確にします。
発注者の情報
発注元の社名や住所、連絡先などを記載します。自社の情報も正確に記載し、書類の信憑性を高めます。担当者も明記すると、受注者が連絡する際に役立ちます。
発行日と発注番号
発注書を作成した日付と発注番号を記載します。発注番号は必須ではありませんが、見積書や請求書と関連付けができると書類管理がしやすくなるため、記載しておくのがおすすめです。例えば、発注番号を「20250810-001」のように日付と連番で管理することで、後から書類を探しやすくなります。
取引内容とその金額・消費税
発注する商品やサービスについて、概要や単価、数量を記入します。見積書と同じ内容になるように注意しましょう。具体的に「A社向けシステム開発費用」「業務委託費4月分」などといった内容を記載し、単価と数量、消費税を明確にします。これにより、取引内容の認識にずれが生じることを防ぎます。
合計金額
商品ごとの小計金額と消費税の合計金額を記載します。金額は税抜価格・消費税・税込価格を併記するのが一般的です。
納期・支払い条件
取引先と事前に設定した条件を記入します。納期は商品やサービスの納入期限、支払い条件は締め日と支払い日を明記するのが一般的です。例えば、「納期:2025年9月30日」「支払い条件:月末締め、翌月末払い」といった具体的な期日や条件を明記します。
請求書の記載項目
請求書に記載する主な項目は以下の通りです。インボイス制度(適格請求書等保存方式)が開始されてからは、適格請求書として求められる項目が増えています。
受領事業者の氏名または名称
請求書を受け取る発注者の情報を記載します。発注者の企業名や部署名を正確に記入することで、請求書の誤送を防止します。
発行事業者の氏名または名称、登録番号
商品やサービスを提供した受注者の情報を記載します。インボイス制度に対応した適格請求書では、登録番号の記載が必須項目です。登録番号の記載がないと、発注者が仕入税額控除を受けられない可能性があるため、必ず記載します。
取引年月日と取引内容
商品やサービスを提供した日付と、具体的な取引内容を記入します。例えば「2025年8月10日納品分」といったように、いつの取引か明確に記載することで、発注者も支払い時の確認がしやすくなります。
税率ごとに区分して合計した対価の額および適用税率商品の内容と金額
取引内容ごとに、単価と数量を記入します。具体的には商品名と数量、単価、そして適用される税率(10%または8%など)を記載します。見積書と書き方を統一しておくと、確認時の手間が省けます。
税率ごとに区分した消費税額
税抜きの小計金額と、それに対する消費税、2つの合計金額を記載します。消費税額を税率ごとに分けて記載することで、インボイス制度に対応した請求書となります。
請求額
合計金額と支払い条件を記載します。支払い条件は見積もり時に確認した内容を記載しましょう。合計金額は、小計金額と消費税額を合わせた最終的な金額を記載します。
支払い先情報
振込先の口座情報を記載します。銀行名、支店名、口座番号、口座名義を正確に記入しましょう。
発注書と請求書の金額が違う場合の原因

発注書と請求書の金額が異なっている場合、いくつかの原因が考えられます。これらの原因を把握しておくことで、迅速な対応が可能になります。
発注後に取引内容が変更された
発注書の発行後に取引内容の変更や追加が生じると、金額が変動することがあります。数量の増減や商品の種類変更、サービス仕様の変更などによって、当初の見積金額と異なるケースです。
取引内容に変更があった場合は、やり取りをすべて記録し、支払い完了まで保管しておくことが大切です。メールの履歴や議事録、変更合意書などを証拠として残しておきましょう。
受注者側で不具合が発生した
契約時にトラブル発生時の取り決めがある場合、請求金額が減額されることがあります。納品遅延による損害金や、納品後の不良品に対する値引きなどがその例です。契約書や発注書にこれらに関する条項が定められている場合、その内容に基づいて金額が減額されることがあります。
請求書の内容を確認する際は、発注時の契約書や規約に沿って内容を照合します。特にペナルティ条項や解約条件は、事前に確認しておくことが重要です。
請求書発行時の人為的ミス
入力や計算の単純なミスも、金額相違の原因として頻繁に発生します。例として「単価1,000円×10個」とすべきところを「1個」と入力してしまうケースがあります。
金額に相違があった際は、まず取引先と内容を確認し、訂正を依頼します。特に高額取引や未払いにつながる恐れがある場合は、速やかに対応することが求められます。
発注書と請求書の金額が違う場合の対応方法

発注書と請求書の金額が異なる場合は、以下の手順で対応します。
取引内容の変更や自社内でミスがなかったかを確認する
まず、発注書や契約書と請求書の金額を照合します。一致している場合は、自社内で取引内容に変更がなかったかを確認します。
一般的にセールによる割引や納品遅れによる減額、オプションの変更など、何らかの理由で金額が変わることがあります。取引先との連絡履歴をすべて確認し、相違の原因を突き止めます。経理担当者だけでなく、発注に関わった担当者にも確認を取ることが重要です。
取引先に確認する
自社内で原因が見つからなかった場合、取引先に連絡して内容を確認してもらいましょう。
取引先へ連絡する際は、「金額が異なる」と直接伝えるのではなく、「お送りいただいた請求書の金額を確認させていただきたい」と丁寧に依頼するのが適切です。
具体的な金額の相違点や、発注書の内容を提示しながら確認することで、確認作業を迅速かつ正確に進められます。
請求書や発注書を再発行してもらう
取引先に確認し、先方の発行ミスであることが判明した場合は、正しい金額の請求書を再発行してもらいます。再発行された請求書には、元の請求書番号と再発行である旨を記載してもらうことで、書類の管理がしやすくなります。また必要に応じて、発注書も再発行してもらうと、書類の整合性が保たれます。
請求書が再発行されたら、内容の修正を確認したうえで支払い手続きに進みます。
発注書と請求書の照合を効率化する方法

発注書と請求書の照合は、経理業務の中でも特に手間がかかる作業の1つです。手作業での確認は時間がかかるうえ、人為的ミスが発生しやすくなります。これらの課題を解決するには、システムの活用が効果的です。
RPAを使用する
RPA(Robotic Process Automation)とは、PCで行う定型業務を自動化するツールです。これにOCR機能(印刷物や手書きの文字をデジタルデータに変換する技術)を組み合わせることで、紙の請求書から情報を読み取り、発注書との照合作業を自動化できます。
OCR機能で請求書の金額や日付を読み取り、RPAが発注書データと自動で照合します。金額の相違がある場合はシステムがアラートを出し、人為的ミスを防止するとともに、チェック作業の時間を大幅に短縮できます。これにより、大量の書類を扱う経理担当者の負担を大きく減らすことができます。
照合に対応したシステムを使用する
発注書と請求書の照合に特化した専用システムを導入するのも有効です。発注データを事前に登録しておけば、請求情報と自動で照合できる仕組みです。
例えば発注時にシステムにデータを登録しておけば、請求書が届いた際に自動でデータがひも付けられ、金額や内容に相違がないかを自動でチェックできます。さらに、会計システムとの連携や仕訳の自動化、振込データの作成にも対応していれば、請求処理から決算まで一連の経理業務を効率化できます。
発注書と請求書の不一致を自動で検知
まとめ
発注書と請求書は、どちらも企業間の取引で重要な役割を持つ書類です。発注書は取引内容を明確にし、請求書は対価の支払いを求めるという、それぞれ異なる目的があります。そのため、記載項目は明確に定められています。特に請求書はインボイス制度に則った形式での発行が必要です。
もし発注書と請求書の金額が違う場合は、まず自社内で取引内容の変更やミスがなかったかを確認し、原因が見つからない場合は取引先に連絡して確認してもらいましょう。取引先との信頼関係を維持するため、確認は丁寧に依頼することが重要です。
書類の確認業務を効率化するためには、RPAや専用システムの導入が効果的です。自動化ツールをうまく活用することで、経理担当者の業務負担を軽減し、より正確な業務を実現できます。
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執筆・編集
「月次決算に役立つ情報」編集部





