- 請求書
検収照合とは?Excelによる作業の限界とシステム導入による効率化のメリットを解説
公開日:

毎月の検収照合作業に多くの時間を費やしている企業は少なくありません。「手作業によるミスが怖い」「担当者不在時に業務が止まってしまう」といった悩みは、多くの経理担当者が抱える共通の課題です。
本記事では、検収照合の基本的な業務フローから、Excelによる作業に潜む限界とリスク、そして、システム導入によって、それらの課題をどのように解決できるかを具体的に解説します。
請求書受領をシステムで効率化
検収照合とは?

検収照合とは、企業間取引において、発注どおりに物品やサービスが納品されているか、また、それに対する請求が適正かどうかを確認する一連のプロセスです。このプロセスは、企業の支出を適切に管理し、取引の透明性を確保するうえで重要な役割を果たします。
検収と照合、それぞれの役割
検収照合は、「検収」と「照合」という二つの異なる作業で構成されています。
「検収」は、納品された物品やサービスが発注内容と一致しているか、その種類、数量、品質などを確認する物理的な作業です。一方、「照合」は、発注書、納品書、請求書といった関連書類の内容がそれぞれ一致しているかを確認する事務的な作業を指します。
これら二つの作業が適切に連携することで、取引の正当性が担保され、適切な支払いを行うことが可能となります。
検収照合の基本的な業務フロー
検収照合の基本的な業務フローは、一般的に以下のステップで進められます。
- 発注:部門が取引先に対して物品やサービスを発注する
- 納品・検収:取引先から物品やサービスが納品され、担当部門が内容を確認(検収)する
- 請求書受領:取引先から請求書が経理部門に送付される
- 関連書類との照合:経理部門が「発注書」「納品書(検収報告書)」「請求書」の3点を突合し、内容に齟齬がないかを確認(照合)する
- 支払い承認:照合が完了し、内容に問題がなければ、支払い処理が承認される
なぜ検収照合は不可欠なのか?
検収照合は、企業の健全なキャッシュフロー管理において不可欠な業務です。その主な役割は、過払いや二重払いといった不正や誤払いを未然に防ぎ、支出を適正に管理する「守り」の機能にあります。
同時に、発注通りの内容に対して正確な支払いを行うことは、取引先との良好な信頼関係を維持・構築するという「攻め」の側面も持っています。
このように、検収照合は企業の信頼と資産を守るための重要なプロセスの一つです。
Excelによる検収照合の課題

多くの企業にとってExcelは使い慣れたツールですが、検収照合業務での使用には課題もあります。ここでは、Excelを利用した検収照合で生じやすい3つの課題について解説します。
- 手作業により発生するヒューマンエラー
- 業務のブラックボックス化
- 非効率なフローによる長時間労働
課題1.手作業により発生するヒューマンエラー
Excelでの検収照合は、多くの場合、目視による確認と手入力による転記作業を伴います。「紙の請求書を見ながらExcelファイルに金額や日付を手入力する」といった作業は、その一例です。
こうした手作業では、入力ミスや計算ミス、確認漏れなどのヒューマンエラーが起こりやすくなります。取引件数が増加するほど、担当者の負担も大きくなり、ミスの発生率も高まります。
これらのミスは一見ささいなものに見えるかもしれませんが、誤払いや取引先とのトラブルに発展する可能性もあるため注意が必要です。
課題2.業務のブラックボックス化
Excelによる管理が長期化すると、特定の担当者しかメンテナンスできない複雑な関数やマクロが組まれたファイルが生まれることがあります。
このようなファイルは業務の属人化を招き、いわゆる「ブラックボックス化」の状態に陥りがちです。万が一、その担当者が休暇を取得したり、退職したりした場合、他の誰も作業内容を把握できず、業務が停滞してしまうリスクが生じます。
加えて、業務プロセスが不透明であることには、内部での不正の温床となる危険性もあります。
課題3.非効率なフローによる長時間労働
取引先ごとに納品書や請求書のフォーマットが異なることは珍しくありません。Excelで作業する場合、これらの異なるフォーマットを目視で一つひとつ確認し、手作業でデータを整形・入力する必要があります。
こうした作業には多くの時間がかかるため、業務の非効率化を招く大きな要因となります。特に、支払いが集中する月末や月初には、経理担当者の業務負荷が大きくなり、長時間労働につながりやすくなります。
さらに、書類に不備があった場合の差し戻しや、関係各所への再確認に要するコミュニケーションコストも、業務効率を低下させる要因のひとつです。
検収照合を効率化する2つの方法

Excelによる手作業の検収照合には、ヒューマンエラーや業務の属人化、非効率化といった課題が伴います。これらの課題を解決し、業務を効率化するためには、大きく分けて「システム導入による自動化」と「アウトソーシング」の2つの方法が考えられます。
システム導入による自動化
一つ目の方法は、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やAI-OCR、あるいは検収照合に対応した専用のシステムを導入し、業務プロセス自体を変革する方法です。
例えば、AI-OCRを活用して紙の請求書をデータ化し、システムが自動的に発注データと突合できる仕組みを構築します。
この方法を採用する場合は、初期導入コストや運用ルールの見直しが必要となることもありますが、手作業によるミスや属人化などの根本的な課題を解決し、持続可能な業務体制を構築するうえで有効な手段となります。
経理業務にRPAを導入する際のポイントと注意点については、以下の記事をお読みください。
アウトソーシングする
二つ目の方法は、検収照合を含む経理業務の一部または全部を、専門の外部業者に委託するアウトソーシングです。
この方法のメリットは、専門知識を持つ業者に業務を任せることで、社内のリソースをコア業務に集中させることができることです。
一方で、社外に機密情報を共有することによる情報漏えいのリスクが伴うこと、業務ノウハウが社内に蓄積されにくいこと、継続的な委託コストが発生することといったデメリットもあります。
経理アウトソーシングで失敗しないためのポイントや、メリットについての詳細は、以下の記事をお読みください。
検収照合に対応したシステムを導入する5つのメリット

検収照合業務の効率化で、特に注目を集めているのがシステム導入による自動化です。ここでは、検収照合に対応したシステムを導入することで得られる5つのメリットを解説します。
- 業務精度の向上
- 生産性の向上
- コストの削減
- 内部統制の強化
- 経営の可視化
メリット1.業務精度の向上
多くのシステムには、AI-OCRによる書類の自動データ化機能や、発注データと請求データを自動で突合する機能が搭載されています。
これまで手作業で行っていたデータの入力や目視による確認作業をシステムが代替することで、ヒューマンエラーの発生を限りなくゼロに近づけることが可能になります。
メリット2.生産性の向上
システムを導入することで、担当者は反復的で時間のかかる照合作業から解放されます。これにより、月次決算の早期化や資金繰りの分析、コスト削減の提案といったコア業務に時間を振り分けることができ、生産性の向上につながります。
このことは、経理部門が単なる事務処理部門から、経営戦略を支える部門へと進化するきっかけにもなります。
メリット3.コストの削減
システムの導入は、さまざまなコストの削減にも寄与します。例えば、紙の請求書や納品書を電子データで扱うことにより、これまでかかっていた紙の印刷代、取引先への郵送費、書類を保管するためのファイル代や倉庫費用などを削減できます。
また、業務効率化によって作業時間が短縮されれば、残業代などの人件費の削減も可能です。
メリット4.内部統制の強化
内部統制の強化も、システム導入による大きなメリットの一つです。システム上には、いつ・誰が・どのような処理を行ったか、といった作業履歴(ログ)が自動的に記録されます。これにより業務プロセスが透明化され、不正の牽制や早期発見につながります。
従来のExcel管理では難しかった、客観的な証跡を残すことが可能となり、内部統制の強化に貢献します。
メリット5.経営の可視化
支払いに関するデータがシステムにリアルタイムで蓄積・一元管理されることで、経営状況の可視化が進みます。従来のように、月末にExcelで集計するのを待たなくても、現在の支払い状況や今後のキャッシュフロー予測を迅速に把握することが可能です。
これにより、経営層はデータに基づいた迅速な意思決定を行うことができ、経営判断の精度向上にもつながります。
自社に最適な検収照合システムを選ぶポイント

検収照合システムの導入メリットは多岐にわたりますが、その効果を最大限に引き出すためには、自社の状況に適したシステムを選ぶことが重要です。ここでは、システム選定時に着目したいポイントを紹介します。
既存システムとの連携
まず確認したいのが、現在利用している会計システムや販売管理システムと連携できるかどうかです。
どれほど高機能なシステムを導入しても、既存システムとデータが連携できなければ、結局はシステム間でデータを転記する手作業が発生してしまいます。
API連携などによってデータをシームレスに連携し、二重入力の手間を排除できるかどうかが、重要な選定ポイントです。
操作のしやすさとサポート体制
導入した検収照合システムは、経理担当者だけでなく、発注を行う現場の担当者や、支払い承認を行う管理職など、社内のさまざまな立場の人が利用する可能性があります。このため、システムの操作性も確認が必要です。
ITに不慣れな人でも直感的に使えるような、わかりやすいユーザーインターフェースであるかを確認しましょう。また、導入時の設定支援から、運用が定着するまでの伴走サポート体制が充実しているかも、スムーズな移行のために欠かせない要素です。
費用対効果と将来の拡張性
導入にかかる初期費用や月額利用料といったコスト面だけでなく、費用対効果も重要なポイントです。システムの導入によって、どの程度の作業時間が削減され、人件費やその他のコストがどれだけ削減できるかを試算し、投資対効果を見極めましょう。
あわせて、将来的に事業規模が拡大した際にも対応できるか、必要な機能を追加できるかといった、システムの拡張性を考慮に入れておくことも重要です。
まとめ
本記事では、検収照合の基本的な役割や業務フロー、Excelによる手作業の限界、システム導入による効率化のメリットについて解説しました。
検収照合は、企業の支出を管理し、取引先との信頼関係を維持するために欠かせない業務です。しかし、Excelによる手作業での管理には、ヒューマンエラーや業務の属人化、非効率なフローによる長時間労働などの課題がつきものです。
これらの課題を根本的に解決し、業務の正確性や生産性を高めるためには、「Bill One請求書受領」のような、検収照合に対応したシステムの導入が有効です。システムの導入は、コスト削減や内部統制の強化、経営状況の可視化にも寄与します。
クラウド請求書受領サービス「Bill One請求書受領」は、あらゆる形式の請求書をオンラインで受け取り、クラウド上で一元管理できます。
また、「Bill One請求書受領」のAI自動照合オプションは、請求書を高精度にデータ化し、CSVで取り込んだ納品・検収データなどの照合対象データと自動で照合します。
総額から明細単位までの差異を検出し、紙や目視に頼っていたアナログな照合作業を大幅に削減します。
Bill One請求書受領の特長
- 紙や電子などあらゆる形式の請求書をオンラインで受領し、99.9%の精度*で正確にデータ化する
- 受領した請求書データを一元管理できる
- インボイス(適格請求書)の要件を満たしているかを自動チェック
- 適格請求書発行事業者番号が事業者名と一致しているかも自動で照合
- 電子帳簿保存法に対応した保存要件で受領した請求書データを適切に保管
- 暗号化やPMSの構築などの高度なセキュリティー対策を設けている
※Sansan株式会社が規定する条件を満たした場合のデータ化精度
Bill One請求書受領 AI自動照合オプションの特長
- 高精度にデータ化された請求書と、納品・検収などの照合対象データのCSVを取り込むだけで自動照合
- 総額だけでなく明細単位でも差異を検出し、確認箇所をハイライト表示
- 照合結果と履歴を一元管理し、URLで関係者と共有可能
- 照合漏れや二重計上などのヒューマンエラーを抑制
- 履歴参照で、監査対応や過去案件の再確認を迅速化
請求書受領業務の工数を大幅に削減し、月次決算の加速に役立ちます。ぜひ導入をご検討ください。


3分でわかる
Bill One請求書受領
請求書受領から、月次決算を加速する
クラウド請求書受領サービス「Bill One請求書受領」について簡単にご説明した資料です。




Bill One請求書受領
AI自動照合オプション
アナログな照合作業をなくす
請求書と納品・検収データを自動で照合する、「AI自動照合オプション」についてご説明した資料です。



執筆・編集
「月次決算に役立つ情報」編集部




