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自動仕訳で経理業務を効率化!メリットや導入方法、仕組みを解説

自動仕訳で経理業務を効率化!メリットや導入方法、仕組みを解説

多くの経理システムには「自動仕訳」が搭載されています。この機能を使用することで、日々の業務を効率化でき、決算の早期化や不正防止につなげることができます。一方、使用を始めるためにはどこから着手すべきかなど、導入までのイメージが想起しにくく、導入に至らないケースもあります。

本記事では、自動仕訳の仕組みから導入方法、活用のポイントについて解説します。併せて手作業による入力ミスや時間のロスを減らし、より戦略的な業務に集中するための実践的な手法を紹介します。導入時の参考としてください。

請求書の一元管理で仕訳を効率化

自動仕訳とは?経理の効率化を実現する仕組み

自動仕訳とは?

自動仕訳とは、請求書や経費精算などの取引データを取り込み、予め自社で設定したルールやAIの学習機能などに基づいて勘定科目を判別し、仕訳伝票を自動作成する機能です。

たとえば、銀行口座の入出金データやクレジットカードの利用明細などをシステムに連携させることで、システムが取引内容に応じて「交通費」「消耗品費」などの勘定科目を自動で割り当てます。これにより、これまで経理担当者が一件ずつ手作業で行っていた多くの仕訳作業を、システムが代わりに担ってくれます。

自動仕訳の仕組み

自動仕訳は、主に以下の3つのステップで成り立っています

  1. ルールによる仕訳判定
  2. 仕訳結果の確認
  3. 判定結果の修正と学習

1. ルールによる仕訳判定

まずはシステムが取引データをルールに沿って分析し、勘定科目を判定します。たとえば、「品目に交通系ICと記載があれば、勘定科目を旅費交通費に設定する」「10万円以上の備品購入は固定資産に計上する」といったルールを、事前にシステムに登録します。設定したルールに基づき、各取引へ勘定科目を割り当てるため、定型的な取引をスムーズに処理できます。

2. 仕訳結果の確認

自動仕訳によって作成された仕訳データは、帳簿へ反映する前に、確認画面で内容を確認してから登録する運用が一般的です。経理担当者は、自動で作成された仕訳が正しいかどうか、勘定科目や金額、取引内容に間違いがないかを丁寧に確認します。

自動仕訳では、まれに誤った仕訳が作成される可能性があります。登録前に起票内容を確認することで、勘定科目や金額の誤りを防ぎ、帳簿の正確性を維持できます。

学習データが蓄積されると、システムがアラートを出した取引やイレギュラーな取引に絞って確認するなど、作業を効率的に進めることも可能になります。

3. 判定結果の修正と学習

自動仕訳で作成された仕訳が間違っていた場合は、その場で修正を行い、帳簿に登録します。このような修正作業を重ね、ルールの見直しやデータを学習することで、仕訳の精度を改善します。

学習データを蓄積することで、新しい取引先や取引内容にも対応し、過去データを基に最適な勘定科目を自動予測できるようになります。運用期間が長くなるほど、取引データが蓄積され、より精度の高い仕訳が可能になるため、導入から時間が経つにつれて、経理業務の効率化を実感できるようになります。

自動仕訳を使用するメリット

自動仕訳の導入により、経理業務には多くのメリットがあります。

経理業務の時間短縮

自動仕訳の導入は、経理業務にかかる時間を大幅に短縮できます。手作業で取引データを入力したり、勘定科目を一つひとつ選んだりする作業が不要になるため、大量の取引を短時間で処理することが期待できます

たとえば、毎月発生する数百件の取引をすべて手作業で入力すると、膨大な時間と労力が必要です。特に締め日前後は、売上計上や消込に時間を要しがちです。一方で自動仕訳を活用すると処理の短縮が見込め、状況によっては当日中に片付くケースもあります。

これにより、経理担当者は単純な入力作業から解放され、より付加価値の高い業務に時間を充てられるようになります。また日々の仕訳が迅速に完了することで、月次決算や年次決算の早期化も可能です。

さらに経理業務が効率化されることで、担当者の残業時間を減らし、ワークライフバランスの改善にも貢献します。日々の業務に余裕が生まれることで、経理部門全体の生産性が向上し、組織全体の働き方改革にもつながる可能性があります。

人為的ミスの削減

自動仕訳は、人為的ミスの削減にも有効です。手作業での入力は注意しても、数字の打ち間違いや勘定科目の選択ミスが発生しやすいです。対して自動仕訳は、事前に設定されたルールや連携したデータなどに基づいて仕訳を作成するため、これらのミスを防ぐことができます

人間が入力するよりも高い精度で作業を行うため、経理業務の正確性が向上し、後の修正作業やチェックにかかる時間も減らすことが可能です。

経理業務の標準化

勘定科目の判断は、担当者の経験や知識によってばらつきが出る場合があります。たとえば、ある担当者は「通信費」として処理したものを、別の担当者は「事務用品費」として処理してしまうといったケースです。

自動仕訳は、過去のデータに基づいて起票したり、不適切な仕訳を感知したりするため、担当者による判断のばらつきを減らすことができます。経験の浅い社員でも、システムのサポートによって正確な経理業務を遂行できるため、経理業務の質が均一になり、企業全体の経理体制が強化されます。新入社員の教育や引き継ぎもスムーズに行えるようになり、組織としてのノウハウを蓄積しやすくなります。

会計の不正防止

自動仕訳は、会計の不正を抑止する役割もあります。AIによるチェック機能は、過去のデータから逸脱した異常な取引パターンを検知することが可能です。

たとえば通常ではありえない勘定科目の組み合わせや、特定の金額の取引が頻繁に発生している場合は、システムが自動で警告を発してくれます。これにより、意図的な不正処理や、意図せずとも発生してしまう不適切な処理を未然に防ぐことができます。

また自動仕訳は、すべての取引データを作成履歴と共に記録するため、後から不正な取引がないか監査する際にも役立ちます。

ペーパーレス化の推進

自動仕訳は取引データから作成するため、経理業務で必要な紙の量を大幅に削減でき、ペーパーレス化を推進します。合わせて書類の発送や保管業務が減るため、物理的なスペースが不要になり、管理やコストも削減できます。これは環境への配慮という企業の社会的責任(CSR)を果たすことにもつながります。

また電子帳簿保存法やインボイス制度の要件を満たす形でデータを管理すれば、法令に準拠した形で帳票の保管を行うことが可能です。

そしてインターネット環境があればどこでも経理業務を行えるため、長期出張やテレワークでも処理が可能となり、柔軟な働き方の実現に寄与します。

自動仕訳を使用するデメリット

自動仕訳には多くのメリットがありますが、留意すべきデメリットも存在します。導入を検討する際は、これらの点を十分に考慮することが重要です。

導入時の負担が大きい

自動仕訳機能を備えたシステムを導入する際には、一定の費用と労力が必要です。システムの導入時は、初期費用がかかるため、一時的に大きな出費が発生します。

利用開始までには、システム選定・試験運用・初期設定など、多くの工程があり、経理担当者の負担も大きくなります。特に初期設定は、メンバーアカウントの設定や外部システムとの連携、取引ルールの設定など、多くの労力がかかります。導入プロジェクトでは、情報システム部と協力し、十分な準備期間と体制構築が求められます。

そして自動仕訳の精度は、運用を始めてからの学習量に左右されるため、導入当初は手作業での修正が多く発生します。システムが自社の取引パターンを学習するまでには時間がかかるため、導入直後から効率化を実感するのは難しい点にも注意が必要です。

イレギュラーな取引は手作業が必要

自動仕訳は便利な機能ですが、すべての取引を自動化できるわけではありません。過去のデータや設定ルールにないイレギュラーな取引は、自動仕訳では対応できない場合があり、人の判断を要します。

たとえば、初めて発生した特殊な取引や、複雑な内容の取引の場合は、システムが正しい勘定科目を判断できない場合があります。このような場合は、経理担当者が手作業で仕訳を修正する必要があります。自動仕訳は、あくまでも日々の定型的な取引の効率化に役立つものであり、仕訳業務のすべてを代替できるわけではない点を理解しておくことが重要です。

自動仕訳による経理業務のポイント

自動仕訳による経理業務の2つのポイントを説明する図

自動仕訳を最大限に活用するためには、2つのポイントを押さえることが重要です。

仕訳のチェック体制を整える

自動仕訳は便利で判定精度も高い一方、誤った仕訳を作成する可能性があります。

経理担当者がすべての仕訳を確認することは非現実的であるため、定型的な取引はシステムに任せ、イレギュラーな取引は経理担当者が登録前に仕訳をチェックする体制を整備しましょう。システムの精度を活用しながら、ポイントを絞って確認することが効率化のために最適です。

システムのカスタマーサポートを活用する

自動仕訳を導入した当初は、設定や運用で不明点が出てくることもあります。そのような時に頼りになるのが、システムのカスタマーサポートです。

カスタマーサポートは、トラブル対応に加え、自社に適した仕組みや効率的な運用方法を支援する役割を果たします。社内で解決できない課題を専門家の視点から解決でき、導入負担の軽減も期待できます。さらに、システムのアップデート情報や新機能の活用方法など、効率的な運用に役立つ情報も得られます。

自動仕訳による経理業務の始め方

ここでは、自動仕訳の導入手順と運用のポイントを解説します。

自社に合ったシステムの選定

自動仕訳を導入する際は、まず自社に合ったシステムを選びます。自社の事業規模やコスト、既存システムとの連携など、条件を整理したうえで検討しましょう。

併せてシステム選定の際には、無料トライアルやデモ版を利用して、実際の使用感を確かめることが重要です。複数のシステムを比較検討し、実際に使用してみることで、自社のニーズに最も合うシステムを選定できます。

初期設定とルールの作成

システムを選定したら、初期設定とルールの作成を行います。具体的には、自社の銀行口座やクレジットカードなどの外部システムと連携させたり、各担当者に権限を付与したりします。

次に、自動仕訳のルールを登録します。たとえば「〇〇電力の引き落としは水道光熱費」「〇〇銀行への振込は給与手当」と設定することで、仕訳精度を高められます。

初期設定は一定の工数を要しますが、この工程を丁寧に行うことで、運用後の負担を大きく減らせます。

運用と学習データの蓄積

初期設定が完了したら、実際にシステムを運用していきます。日々の取引データをシステムに取り込み、自動仕訳機能を使ってみましょう。

運用を続けることで、システムは取引データを学習し、仕訳の精度が向上していきます。導入直後は、システムが最適な判断を下せるまで手動修正が多くなりますが、この作業の積み重ねが将来的な効率化につながります。

新たな取引パターンや会計方針の変更があった場合は、随時ルールを見直しましょう。自動仕訳は導入して終わりではなく、継続的な運用が必要です。

まとめ

自動仕訳は、設定ルールやAIを活用して仕訳を作成する機能です。これにより、経理業務の効率と正確性を高め、不正防止にも役立ちます。またペーパーレス化が進むことで、コスト削減や柔軟な働き方も可能になります。

一方、すべての仕訳を作成することはできず、導入時の負担がかかるため、導入には慎重な検討が必要です。

導入後の負担を軽減するためには、システムのカスタマーサポートを積極的に活用することも有効です。自社に合ったシステムを選び、初期設定とルールを丁寧に行うことで、業務効率化を促進し、コア業務に集中できる環境を実現します。

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「月次決算に役立つ情報」編集部

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「月次決算に役立つ情報」編集部

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